ガネしゃん

「人生に悔いはない」生き方がしたい主婦です。

【スオミの話をしよう】ネタバレと感想

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ある日、大富豪の妻【スオミ】が姿を消します。

失踪した女性の元夫たちが、【スオミ】にについて色々と語り合うのですが、5人とも【スオミ】に対しての感じ方が違います。

彼女は一体何ものなのでしょうか。

あらすじ

著名な詩人の妻スオミが行方不明となり、詩人の豪邸に刑事がやってくる。

彼はすぐに正式な捜査を開始すべきだと主張するが、詩人は「大ごとにするな」と言って聞かない。やがてスオミの元夫たちが続々と屋敷に集まり、「誰が一番スオミを愛していたのか」「誰が一番スオミに愛されていたのか」とスオミの安否そっちのけで熱く語り合う。

すると、彼らの思い出の中のスオミは、見た目も性格も、まるで別人であることが明らかになっていく。

シネマトゥデイより抜粋

 

 


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【スオミの話をしよう】主な登場人物紹介

スオミ(長澤まさみ)

突如失踪した大富豪の妻

魚山大吉(トトヤマダイキチ)(遠藤憲一)

スオミの1番目の夫。血の気の多い庭師

 

十勝座衛門(トカチザエモン)(松坂桃李)

スオミの2番目の夫。自信家で見栄っ張りのユーチューバー。

宇賀神守(ウガジンマモル)(小林隆)

スオミの3番目の夫。情に厚くお人好しな警察官。

草野圭吾(クサノケイゴ)(西島秀俊)

スオミの4番目の夫。かなり神経質な警察官。

寒川しずお(サムカワシズオ)(坂東彌十郎)スオミの5番目の夫。

自分勝手な詩人。

映画『スオミの話をしよう』公式サイト

 

【スオミの話をしよう】ネタバレと感想

【スオミ】が行方不明と聞きつけ、元夫で刑事の草野が部下と共に駆けつけてきます。

現夫は「心配ない」といい、警察には知らせないようにと言うのですが…

 

現夫と元夫たちが、自分と【スオミ】の過ごした時間や別れた後もどのくらいの頻度で会っているか、別れた理由などをお互いにマウントを取り合いながら話が進んでいきます。

 

元夫たちは【スオミ】が本当に誘拐されたのか、犯人の心当たりなどを考えるよりも「いかに彼女を愛していたか」と意地の張り合いを見ていると、(本当に誘拐されているのか?)と思ってしまいます。

 

私が一番面白かったのは、彼女の身代金請求が3億に対して、現夫はなぜか出し惜しみをしてきます。

観ているこちらも(えっ?払わへんの?)と思いますし、命とお金とどっちが大事?と元夫たちにも呆れられるのですが、なぜか現夫は2億5000万は出せるけど、それ以上は出せないと言い張ります。

仕方がないので、1番目の夫がカッコよく「俺が出す」と言い切ったので(おっ!!)と思ったのですが、金額を聞かれ「7500円」と自信ありげに言う所。(…え?)出すって言うから5000万とは言わなくても4000万位言うのかなぁと思いますが、後の2人もお互いの出方を探りあいます。

「っで草野さんは幾ら出せるんですか?」

草野と宇賀神が互いに顔を見合わせる。

草野:「200万」

宇賀神:「205万」

そうしたら魚山が「やっぱ7000円で」

関係ない草野の部下にも「参加しませんか」みたいに言われ、身代金の金額が、まるでオークションの様な感じになって、クスっと笑えて面白かったです。

 

お互いが回想のシーンで自分の知っている【スオミ】を話すシーンでは、

1番目の夫の魚山は、彼女の中学時代の教師で、ツンデレ好き。【スオミ】は彼の性格に合わせて態度をコロコロ変えていました。

イタリアンレストランにて、ダイエット中の魚山は、自分は食べなくてもいいから、【スオミ】は好きな料理を食べてと言います。

それならこんな所で無理して食べなくても良いと【スオミ】は言うのですが…

魚山に対してイラっとする【スオミ】の言い方が迫力ありましたねえ。私も魚山に対してイラっとしました。(そんなんで来る?)って。

 

2番目の夫の十勝は、マルチまがいの商法ばかりして、逮捕されたのをきっかけに【スオミ】と別れます。

彼だけが【スオミ】から逃げられずに自分から別れを切り出したのですが…

結局は見栄っ張りなだけという事が最後に分かってしまいます。

 

3番目の夫は、中国語で話す【スオミ】のことを理解しようとはせず、中国語を勉強しようとすらしませんでした。

 

4番目の夫の草野の場合は「【スオミ】は不器用で何もできないから」と決めつけていて、全部自分で何でもやってしまいます。

 

その分、現夫の寒川は自己中のため、【スオミ】自身居心地は良かったようですが、自由に使えるお金はなかったようです。

 

異なるタイプの夫と過ごすうちに、【スオミ】は自分自身でさえ、自分が何者なのかがわからなくなったんだと思います。

 

果たして【スオミ】は5人の夫を愛し、愛されていたのでしょうか?

 

こちらの映画では、夫婦として妻が夫の立場や性格に合わせて態度を変えていますが、家族や友人でも同じことだと思います。相手に合わすと疲れます。相手にばかり会わせていると本当の自分が見えなくなってしまうのでは?

たとえ夫婦や親子であってもその人本人の事なんて誰にも分からない。

本人ですら分からないのかもしれません。

 

【スオミ】は5人の違うタイプの男性と結婚していき、常に身に着けていたネックレスを手に自分の出生地であるフィンランドで年を重ねていきたいと思う夢を抱くのでした。

【スオミ】とは「フィンランド」という意味なんだそうです。

 

結局は戸塚純貴演じる寒川の世話係「乙骨直虎」が【スオミ】の協力者とし自作自演だった誘拐ですが、【スオミ】と乙骨とは何の関係もなくただ利用されただけの乙骨。

最後は泣きながら走り去っていくのでした。

 

映画の内容としては、まぁ面白かった。という感想なのですが出演者の演技は素晴らしかったです。

特に最後の長澤まさみが元夫との質疑応答のシーンは、それぞれの夫に対して、当時の妻を演じながら話すという名演技をされていました。

この演じ分けは素晴らしく長澤ファンにとってはたまらないと思います。

回想シーンでは、中学生を演じるセーラー服姿、水商売風の派手な感じのその母親、チャイナドレスを着た中国人、料理が出来ない不器用な女性、タクシーの運転手と多くの役をこなされていました。

 

最後にはミュージカルで締めくくられていて、長澤まさみの歌唱力と元夫たちのダンスも良かったです。

舞台としてフィンランドは出てこないのですが、首都はヘルシンキだというのは最後の唄で何度も歌われています。

気になる方は映画館で堪能されてみてはいかがでしょう。