ガネしゃん

「人生に悔いはない」生き方がしたい主婦です。

【アーサーズ・ウイスキー】映画 あらすじとネタバレ感想

中身は同じで体だけが若返ったら!?

そんな薬があれば、飲んでみたい。

あなたなら、どう使いますか!?

 

【アーサーズ・ウイスキー】あらすじ

イギリスの郊外。

 

その日は嵐の夜でした。

 

アマチュアの発明家アーサーは、若返りの薬が完成したことで、喜びのあまり外に出た瞬間、落雷に見舞われ、亡くなってしまいます。

 

彼の葬儀後、妻のジョーン(パトリシア・ホッジ)は友人リンダ(ダイアン・キートン)とスーザン(ルル)の手を借りて、アーサーの小屋を大掃除します。

 

あまりの汚さに驚く3人ですが、そこでウィスキーを発見します。

 

3人は、リビングで若い頃を思い出しながら、ウイスキーでアーサーに向けて献杯し、そのまま眠りについたのでした。

 

翌朝目覚めた3人は、お互いの顔を見て驚きます。

 

そして若返った自分の体を見て嬉しさを隠しきれないでいるのでした。


若返った3人はカフェに向かい、それぞれ若くなった体でやりたいことリストを作ります。

 

けれども、若返りの効果が切れ始め、急いで店を出て行きます。

 

飲む量が少なかったのか、若返りの薬は持続性がないようでした。

 

次は、体だけでなくファッションやメイクも今風にし、3人の“ガール”たちはクラブへと繰り出します。

 

久しぶりのクラブで、ダンスや強いお酒を楽しんだものの、飲み過ぎた3人は失態してしまい…

 

 

映画『アーサーズ・ウイスキー』公式サイト/ 2025.1.17(金)公開

 

【アーサーズ・ウイスキー】登場人物

リンダ/ダイアン・キートン

夫に逃げられた離婚経験を持つ。

自分に自信がなく生きてきたけれど、自分の道を歩くことに。

 


ジョーン/パトリシア・ホッジ

発明家の夫を亡くし、若返ったことで、思い出の場所シャーウッドの森を訪れ、昔の自分を取り戻していきます。

 

 

スーザン/ルル

キッチンカーの男性に恋する独身女性。

若返ったらやりたい事リストに書かれたこととは…

 

 

【アーサーズ・ウイスキー】ネタバレ感想

気づかないうちに、知らない間に老けていくというのは、ふと自分の顔を鏡で見た時にショックを受けます。

髪の毛のハリはなくなり、薄くなって顔はシワやたるみにシミ。

ほうれい線なんてなかったらいいのに…

 

そんな時、中身は同じで体だけ若返ったら、と思うと嬉しくなってしまいます。

 

飲む量にもよるみたいだけれど、どうやら効き目は約6時間。

 

最初は嬉しくて、飲んでしまうけれど、やっぱり自分が自分でなくなる気がして飲むことを辞めてしまうかもしれません。

 

結局無理してしんどくなってしまう気がします。

 

気になったのは、ベネズエラ料理

思い出の場所、シャーウッドの森に行く途中に出会ったキッチンカーではベネズエラの代表的料理アレパを注文していました。

「アレパ」ってどんなの?と思ったら、白いトウモロコシの粉から出来たパンに、いろんな具材を挟んで食べる料理。

タコスのような感じに見えました。

レストランに行くと、アレパにスープ料理も添えられるそうです。

具材には、チーズやチキン、ツナやスクランブルなどの具材を入れることが多いようです。

 

やりたい事って

ある日突然20代に若返った3人ですが、やりたい事は思い出の場所に行ったり、元夫に復讐したり、クラブに行って楽しんだりとそれぞれ。

 

そうして残り少ない最後のウィスキーで人生最後の冒険と、ラスベガス旅行に行くのでした。

 

私も旅行が好きなので、やりたい事は旅行です。

 

知らない街に行って、未だ食べた事のない、現地のおいしい料理を食べてみたい。

行った事のない土地に足を踏み入れてみたい。

初めてのあのワクワクさをいつまでも感じていたいです。

 

どれだけ歳をとっても、冒険はしたいです。

それぞれの思い

ジョーンは、定職についていない1人息子と話します。

 

いろいろとあったみたいですが、息子が小さかった頃に大病をしたとき、痛みを取り除けるなら何でもしたと話します。

 

けれども、どれだけ手を伸ばしても、病室の外側からしか、息子には触れることが出来ず、そんな息子を守ってあげられないというやるせない思いを伝え、そうやって子どもを大きくしていった事など振り返ると、どれだけ空回りしても、愛情を持って必死に子育てをしたものだなぁと私も感慨深かったです。

 

今まで受け入れて生きるしかなかった人生。

 

特にリンダは自分の寿命がもうあまりないことに気づいています。

 

そのことを承知のうえ、やりたい事をし、ラスベガスでは、様々な体験や人と出会います。

 

ボーイ・ジョージの「カーマは気まぐれ」を歌うシーンはどこか懐かしく、当時聞いていた時よりも、もっと前向きになる歌でした。

 


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ボーイ・ジョージ

ボーイ・ジョージ(Boy George、1961年6月14日 - )は、ロンドン生まれのアイルランド系イギリス人ミュージシャン。
本名はジョージ・アラン・オダウド(George Alan O'Dowd)。
カルチャー・クラブのヴォーカリストとして知られ、ソロ歌手やミュージカル俳優としても活動している。
ポップ・アイコンの一人であり、ゲイ・アイコンとしても有名

ボーイ・ジョージ - Wikipedia

 

リンダは、「若返らずに、そのままの自分を楽しみたい。若返った自分は自分じゃないみたい」と2人に言い、3人はウィスキーを飲まずに乾杯します。

 

人生を上手に楽しむ方法

ありのままの自分、自分の道を歩くだけ

 

年齢は関係なく時間は限られています。

 

 

残りの人生は好きな人といたい。

 

私も、残りの人生は好きな人と過ごしたいです。

 

残りの人生をどう過ごしたいか?

 

リンダは自分に正直に生きました。

何が大切かが分かれば平穏でいられるのですね。

 

ジョーンもスーザンも、正直に自分を見せることにしました。

 

スカイダイビングにも挑戦します。

 

年齢は関係ない。

人生は楽しんだもん勝ち。

 

自分に正直に生きることが一番!!

 

ほとんどの人が、分かっているのに出来ないのはどうしてなんでしょうね。

映画を観ると、気持ちに変化が起こるかも!?

 


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【孤独のグルメ】映画 あらすじと感想

予告では、野宿をしていそうな五郎が浜辺でヒクヒクしているシーンが!?

(あれ、ヤバいんじゃないの?)

いったい五郎に何があったのか?

美味しそうな料理も楽しみだけれど、五郎の行方も気になって…

 

鑑賞後はお腹が空いているので、食べ過ぎに注意が必要です。

 

 

【孤独のグルメ】あらすじ

なんであんなに美味しそうに食べられるんだろう…

 

映画では、それはもう美味しそうな料理がたくさん登場します。

 

そしてその美味しそうな食事に、ついつい見入ってしまうのです。

 

井之頭五郎は、元恋人・小雪の娘、千秋から依頼の連絡を受け、フランス・パリへと向かいます。

 

途中、楽しみにしていたはずの機内食を2食とも、食べ損ないます。

 

仕方なく、配られたナッツを口にする五郎。

 

飛行機は五郎が空腹のまま着陸態勢へと入るのでした。


パリに到着し、ル・ブクラ(Le Bouclard / 1 Rue Cavallotti, 75018 Paris, FRA)というお店で、空腹を満たしたところで、千秋と一緒に祖父の元へとむかいます。


そこで、千秋の祖父一郎が、五郎に依頼したのは、「いっちゃん汁」と呼ばれる「子どもの頃に飲んだスープをもう一度飲みたい」という内容。

 

最初は断る五郎でしたが、いつもの人の良さから依頼を引き受け、わずかな地名を頼りに、食材を探すことになってしまったのでした。


舞台は、フランス、韓国、長崎そして東京。

 

笑いあり、おいしさタップリの110分でした。


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『劇映画 孤独のグルメ』公式サイト

 

【孤独のグルメ】登場人物

井之頭五郎/松重豊

輸入雑貨の貿易商を営んでいて、商談でその土地の飲食店にて食事する事を楽しみに仕事をしている。

下調べはせずに、その時々でお店に入ります。

メニュー内容を吟味し、頼む品数はちょっぴり多め。

志穂/内田有紀

五郎が迷い込む韓国領の島のコミュニティで暮らす女性

元ラーメン屋

 

中川/礒村勇斗

中華ラーメン店「さんせりて」の常連客

結構食べる

彼の仕事は実は…

 

松尾千秋/杏

フランス在住で五郎のかつての恋人・小雪(さゆき)の娘

亡くなった母から「日本で何か困った事があれば、五郎を訪ねるといい」と言われている。

店主/オダギリジョー

中華ラーメン店「さんせりて」店主

コロナ禍依頼、ラーメンを作る気力がなくなりチャーハンのみの営業。

五郎が訪ねてきたことにより…

松尾一郎/塩見三省

千秋の祖父。小雪の父。

千秋と共にフランス・パリ在住

 

「子どもの頃に飲んでいた懐かしのスープ(いっちゃんじる)をもう一度飲みたい」と五郎に食材とレシピ探しを依頼。

食材は海の幸と山の幸の両方。

 

滝山/村田雄浩

五郎と旧知の仲。

パピコが好きでいつも食べている。

ヨガをしていて、意外と体が柔らかい。

 

【孤独のグルメ】感想

テレビをつけ、たまに【孤独のグルメ】がやってると「美味しそう!!」とつい見てしまいます。

 

見出したら、なぜか止まらなくなるくらい美味しそうなグルメがいっぱい。

 

松重さんの丁寧な食べ方が、見ていて飽きないのかもしれません。

 

そんな【孤独のグルメ】が映画になって登場。

 

早速映画館に足を運んできました。

 

それにしても、井之頭五郎はよく食べる。

見ていて気持ちが良いくらい。

毎回どこへ行き何を食べるのかとても楽しみです。

 

最初の舞台はフランス・パリ

フランス・パリに到着した五郎。

 

機内では、ビーフシチューか焼き鳥丼で迷う五郎でしたが、ビーフを注文するも、その後ぐっすり眠り込んでしまい、2食とも食事の機会を逃してしまいます。

 

そんなビーフを食べ損ねたこともあり、五郎の体はビーフを欲していました。

 

エッフェル塔や凱旋門などをバックにお店を探す五郎。

 

たまたま通りがかったおしゃれなお店の外窓から覗いたら、老人が1人、ロールキャベツを美味しそうに食べています。

 

老人が食べるロールキャベツは五郎のハートをしっかりとつかみ、そのお店へと入ったのでした。

 

お店は、フランス パリ ル・ブクラ

(Le Bouclard / 1 Rue Cavallotti, 75018 Paris, FRA)

 

五郎は、オニオンスープやビーフブルギニョンを注文します。

 

あつあつのオニオンスープを美味しそうに口へと運ぶ五郎。

 

スープに国境はない

世界中に配りたい

 

玉ねぎの甘味からのチーズの塩味。

 

とんでもなく美味しそうでした。

 

お店自慢のビーフブルギニョンは、肉厚でソースたっぷり。

 

やっとつかまえた

この牛、またたくまに胃袋に逃げていく

これぞフレンチの王道

ヤバい

白飯が欲しい

 

そのまま食べたり、パンの上にソースをたっぷりのせて食べる食べ方も食欲をそそります。

 

パンの上にビーフとタレ

これはフレンチのクーデター

いや、フランスパン革命

俺はナポレオンかもしれない

 

お店は通りに面した黒い外壁と、筆記体の「B」が特徴 のオシャレなお店です。

 

 

 

www.yumepolly.com

 

もう一品注文しようかとした時、杏演じる千秋がやってきて、2人は千秋のアパートへと向かいます。

 

2人乗れる?と思う位狭いエレベーターに乗って、自宅へと入ると何ともオシャレなお部屋。

 

そこで、千秋の祖父からもう一度飲みたいと言われ…

 

五島列島へ行ってみるしかないか

 

五郎の言葉でなぜか「行ってくれるのかい」となり、観ているこちらは(なんでそうなんの?)と思わず吹き出してしまいます。

 

結局そのまま五郎は、食材探しに五島列島へと向かうのでした。

 

ここでクロマニヨンズの「空腹と俺」の音楽が流れ、映画が進んでいきます。

長崎五島列島

 

世界遺産で知られる五島列島は千秋の祖父松尾氏が育った町。

分かっている食材は、海の幸は海藻と魚、山の幸はしいたけととんこつをベースにしたスープということ。

ところが、村の住民に「いっちゃんじる」を訪ねても誰も知らないと答えるばかり。

 

五郎はもっと重要な(腹が減った)ことを思い出し、店を探しはじめます。

 

見つけた食堂は「みかんや」とかわいらしい名前のついた食堂。

 

長崎といえば、ちゃんぽん。

 

早速ちゃんぽんを注文します。

 

野菜のシャキシャキ感、豊富な野菜と麺が胃の中でちゃんぽんになっていく。

たのしい。

しっているスープとは違う。

野菜のあまみを閉じ込めるあっさりスープ

ちくわにかまぼこ、王道の海の幸

 

地元の食材で作られる愛されスープ

(はぁ~ちゃんぽん食べたい!!)

 

そこで、五郎はスープについて有力な情報を耳にします。

 

えその煮干し

 

えそとは、深海魚のことで、ここでは扱っていないけれども、福江島の乾物屋には扱っているという。

 

福江島へは、目と鼻の先の様には見えるものの、船を利用します。

ところが台風が近づいている為運行中止となります。

 

そこで、五郎は福江島に向かおうとするのですが…

 

韓国

 

台風が近づいており、船もお店も閉まっている中、えその事で頭がいっぱいの五郎は、マリンアクティビティである、サップレンタル店で、サップを借り、福江島へ向かおうとしたのですが、強風と高波により漂流してしまいます。

 

辿り着いた先はなんと韓国でした。

 

そうとは知らず、のんきに五郎は調理道具一式を見つけ、海で採れた貝や山で採れた怪しいきのこを食材にしようとするのですが!?

 

そこで、あの予告で見た身体ヒクヒクが起きて…

 

 

韓国では、内田有紀演じる志穂たちと出会い、無農薬で作る野菜を使った料理をいただくことに。

 

もうどれも素晴らしく美味しそうな料理ばかりでした。

 

とんでもなくうまい。

やさしいフレンドリーな韓国の辛さ。

 

志穂たちと別れ、韓国の入国審査官を待つ五郎。

 

待てども待てども来ない審査官を待つ間、食堂を探す五郎。

 

近くにあった可愛いお店へと入っていきます。

 

ユ・ジェミョンが演じる(特別出演)審査官が到着し、早く行こうと言われた時に注文した料理がやってきます。

 

五郎は、随分と待たされ、お腹がすいたので、食べるまで待って欲しいと頼み…

 

審査官は五郎の隣で待つことに。

 

自分の食べる姿を横で見られながら、五郎はまた美味しそうに食事をします。

 

韓国料理は前菜軍団が頼もしい。

これだ、いかにも韓国キムチ。

 

へジャンクを食べる五郎。

 

それを見る審査官。

 

(しかしうまそうに食うな)

(食べられない人の前で)

 

審査官の心境を察したのか、五郎が「一口食べます?」と食事を差し出すのですが、一言「ダイジョウブデス」と返されます。

 

2人のやり取りがおもしろい。

東京

 

スープとなる材料を持って東京へ帰ってきた五郎。

 

五郎は松尾氏が求める「いっちゃんじる」の材料を集めることができたのでしょうか。

 

怪しげなラーメン店の店主、そして五郎の「人となり」、東京へ戻ってからも笑いあり、食事シーンありです。

 

続きは映画館でお楽しみください。

 

見終わった後は、「あ~腹が減った…」となります。

 

 

【日の名残り】映画あらすじと感想 カズオ・イシグロ

 

自分が正しいと思ってやっていた事は、本当に正しかったんだろうか。

価値観の変化を主人公が自分の半生を回想していく映画【日の名残り】。

 

主人公のスティーブンをアンソニー・ホプキンス、メイド頭をエマ・トンプソンが演じています。

 

【日の名残り】あらすじ

1958年のイギリス。

 

アメリカの政治家ルイス(クリストファー・リ―ヴ)の家に仕えるベテランの執事スティーブンス(アンソニー・ホプキンス)はその昔、ダーリントン卿(ジェームス・フォックス)に仕えていました。

 

ある日、当時のメイド頭ケントン(エマ・トンプソン)から20年ぶりに手紙を受け取り、彼女に会いに行く事になります。

 

道中、車を運転しながら当時を回想するスティーブンス。

 

時は1939年9月。

 

イギリスとフランスがドイツに宣戦布告して大戦に突入する前、ダーリントン卿の屋敷には各国から主要人物が集まり、国際会議が開かれていました。

 

その時一緒に働いていたのが、執事のスティーブンスとメイド頭のケントン。

 

ストイックで仕事熱心なスティーブンスは、主人を絶対とし、何かとケントンと衝突しながらも、仕事を廻していました。

 

そんなある日、ダーリントン卿はナチスの思想に影響され、ユダヤ人メイドを解雇します。

 

そのことで、スティーブンスはケントンと激しく対立しますが、その後和解することで、2人は互いに惹かれ合っていきます。

 

けれども、仕事一筋のスティーブンスは、自分とケントンの気持ちに気づかないふりをし、そのまま気持ちを伝えずに過ぎていきます。

 

しびれを切らしたケントンは、別の男と結婚するため、スティーブンスの元を去っていったのでした。

 

それから20年。

 

ケントンと再会したスティーブンスは、職場復帰をお願いするも、娘の妊娠を理由に、ケントンは断ります。

 

帰り際、ケントンは自分の人生を振り返り、間違いだったと口にします。

 

お互いに失われたものを取り戻すことはできないまま別れ、元の生活へと戻っていくスティーブンスなのでした。

 

 

【日の名残り】登場人物

ジェームズ・スティーブンス:アンソニー・ホプキンス

「何なりとお申し付けを」

プロ意識は父親譲り。

新聞1枚1枚にアイロンをかけ、こげたトーストに気づくとすかさずポケットに入れる徹底ぶり。

(私だったら、アイロンで新聞に穴をあけてるな)

主人に仕え、自分の考えはあっても決して意見は言わない。

(プライドと責任がすごすぎる)

 

ミス・ケントン:エマ・トンプソン

スティーブンスの気持ちに気づいているのか、気づいてないふりをするのか傍から見ててもイライラするので、当人だともっとイライラするだろうと思います。

(はよ、言うて)(好きなん?好きちゃうの?)(もうどっちやねん)

それでも、毎日のように庭に咲いている花を摘んでスティーブンスの部屋に飾る健気な女性だなぁと思いました。

ダーリントン卿:ジェームズ・フォックス

朝食を済ませると、ツイードスーツに身を固め、どんな時でも常にバシっと決めている所が貴族らしい。

良かれと思ってやっていたことは、実はナチスに利用されていました。

貴族は所詮政治に関してはアマチュアだというルイスの言う通り、結末は悲惨なものでした。

 

ルイス:クリストファー・リ―ヴ

ダーリントンホールの現主人

 

【日の名残り】作者:カズオ・イシグロ

長崎生まれ。1960年に両親とともにイギリスへ移住。

 

【日の名残り】で1989年にイギリス最高文学賞ブッカー賞受賞、2017年にノーベル文学賞を受賞。

 

主な作品「わたしを離さないで」「クララとお日様」

 

jibunnnoikikata.hatenablog.com

 

【日の名残り】:感想

人生とは、幸せとはいったい何だろうと、思います。

 

世界情勢のなか、もうすでに輝いていた時代はなくなり、それでも当時を忘れられないままでいる、そしてその想いを忘れず、思い出と一緒に自分も消えていきそうな姿をどことなく薄暗い感じで表現されていました。

 

貴族も執事もある時から自分たちはいったいどこに向かっているのだろうとわからないまま、その関係を微妙なままにしながらきたのかもしれません。

 

また恋心を隠すスティーブンスの本当の気持ちが分かってるのか分からないのか、自分の感情を押し殺す表情はピカイチでした。

 

特にエマ・トンプソンが、ホプキンスの部屋で、読んでいた本を奪い取った時の表情を読み取ろうとしたけど、無理でした。(演技上手すぎるわぁ~)

 

そこまで自分の恋心をさとられないようにしないといけなかったのか?ということに疑問だし、エマ・トンプソン演じるケントンの気持ちが悲しかったです。

 

また、カーディナル(ダーリントン卿が名付け親となった青年)を演じるヒュー・グラントだったと最初気づきませんでした。

あの髪型だな…それでもやっぱりカッコよかったですけど(オホホ)

 

最後に、ルイス役のクリストファー・リ―ヴ。

もう初代スーパーマンにしか見えませんでしたが、貴族は政治においてアマチュアという姿の時はかっこよかったです。(よー言うた!みたいな感じ。役柄ですけど)

 

ベテラン俳優陣が多い2時間14分の映画でしたが、長さは感じられませんでした。

 

とにかく最後まで人生とは分からないもの。

 

「あの時、違う選択をしていたら…」

過ぎてみないと分からないもの。気づかないものです。

 

現題「The Remains of the Day」日が暮れる前のひととき=1日で最も素晴らしい時間

のように日々の生活の中、自分の気持ちに嘘をつかず、その瞬間を大切にしていく事は大事だと思いました。

 

 

【はたらく細胞】映画のあらすじとネタバレ感想

細胞を擬人化したマンガ【はたらく細胞】を初めて知ったのは、今から5年ほど前。

当時中学生だった娘に教えてもらいました。

 

中学の授業で見たマンガは「分かりやすかった」という感想でした。

 

その【はたらく細胞】が実写映画化がされ、(どんな風に笑って泣けてタメになるんだろう?)と半信半疑な部分もあり、(観てみたい)と2024年大晦日に夫と2人で観てきました。

 

あらすじとネタバレを含んだ感想です。

【はたらく細胞】主なキャラクター

漆崎日胡(うるしざきにこ)/芦田愛菜

芦田愛菜演じる健康でまじめな女子高生。

母を早くに亡くして父と2人暮らし。

いつもつけているマフラーは母親が入院中に編んでいたもの。

最後まで編めなかった残りは父親が不器用ながら編んだもので、両親の愛情がたっぷり詰まっている大切なマフラー。

漆崎 茂(うるしざきしげる)/阿部サダヲ

阿部サダヲ演じるジャンクフード・酒・タバコ大好き父親。

トラックの運転手をしながら二胡の生活を支えています。

医学部を目指す娘の為、休日を返上して仕事を入れる優しい父親。

 

赤血球/永野芽郁

二胡の体内にいる赤血球。

血液循環により、酸素を体中にとどけ、二酸化炭素を杯に運搬するお仕事。

明るく元気ですが、方向音痴で、ちょっぴりドジなところがあります。

 

白血球(好中球)/佐藤健

外部から体内に侵入した最近やウィルスなどの異物を排除するお仕事。

(ぜったい好きやろ)と思うくらい、小さいころから方向音痴でドジな赤血球(永野芽郁)を常に見守っています。

口ぐせは「(細菌を)ぶっ殺す」

 

映画【はたらく細胞】のあらすじ

人間の体内の細胞は、37兆個もあるそうです。

 

あまりにも多すぎてイメージがあまりつきませんが、酸素を運ぶ赤血球、細菌と日々戦う白血球、細菌などの外敵侵入を適格に攻撃できるように戦略を決める司令官のヘルパーT細胞などが、私たちの健康と命を守るために、毎日全力で働いてくれています。

 

そんな細胞たちが頑張っている体の持ち主は、高校生の漆崎日胡(芦田愛菜)。

 

母親は日胡が幼い頃、病気で亡くなっており、父親の茂(阿部サダヲ)と2人暮らしをしています。

 

真面目な性格で健康的な生活を送る日胡と不規則不摂生の毎日を送る茂ですが、毎日楽しく暮らしていました。

 

そんな中、日胡にある体調の変化が起きてしまいます…

 

映画【はたらく細胞】のネタバレ感想

期待以上に面白かったです。

 

小学校低学年までだと、少し内容が難しそうかなと感じましたが、人間の体の中のしくみを知る良いきっかけになるなぁと思いました。

人間の体内の世界

健康な娘の体内では、草原の中にそびえ立つお城で働く細胞たちが元気に働いています。

 

一方でラーメン、酒、タバコ大好き父親の体は、ブラック企業そのもの。

 

昭和の古びたお店や、ゴミのたまり場。道は歩くスペースがないくらい。

 

こういった状態が続くと動脈硬化になってしまい、映画を観ている自分も同じだと笑いごとではなく、怖くなりました。

癒しをもとめて

父親のブラックな体内環境で働く細胞たちは、過酷な労働から癒しを求めて肝細胞(クラブ)にいきます。

 

深田恭子演じる肝細胞(クラブのママ)は、父親茂の体内で、肝臓の70~80%を構成する細胞として解毒をこなすお仕事をしています。

 

不摂生な父親のブラックな環境の体内ではたらき、安らぎを求め、後輩の赤血球(板垣李光人)と共にクラブに来た先輩赤血球(加藤涼)の態度に(触んなお前)感丸出しですが、それとなく(しれ~)っと交わす表情がおもしろかったです。

 

加藤諒の態度や板倉李光人に(え、なに?)と思わせるような怪しい眼差しも見ものです。

 

一度は経験あり!?下痢の瞬間

茂は、社長からもらったトウモロコシ1本とニンニクが入ったお菓子?のような1袋を全部平らげてトラックを運転中、お腹の調子がヤバくなり、(きゅるるるる~)となってしまいます。

 

それなのに高速道路は渋滞していて、サービスエリアまで少しかかりそう。

そんな時、茂の体内では…

うんち漏れを防ぐため頑張る外肛門括約筋

茂の体内では、肛門の筋肉のひとつと紹介される部分。

ここは、メチャクチャ面白いし、気持ちがよく分かるんです。

 

うんちが降りてくると、勝手に緩んでしまう…

 

まるでお相撲さんのような見た目の内肛門括約筋(ないこうもんかつやくきん)と、それを阻止する外肛門括約筋(がいこうもんかつやくきん)。

 

境界線は白い線になっていて、彼らは漏れを防ぐため、必死に戦っています。

 

電車の中や公共での場で、トイレに行きたくなったとき、絶対に漏らしてはいけないと思えば思うほど、お腹が痛くなって、おしりがキュってなって、少しづつ歩いていく…

 

阿部サダヲさんのトイレに向かって少しづつ歩く姿は(わかる、わかる)と思いながら、観てしまいました。

 

輸血

父親が献血した血液が、娘の体内へ入る輸血の速さがメチャクチャ早くてびっくり。

そんなうまい具合に輸血される?と思いながら、娘を想う父親の気持ちがよく分かりました。

とにかく、何でもいいから自分に出来ること、可能性がある事は全部、娘にしてやりたい思うのが親の気持ちなんだと思います。

 

小さい頃の自分の息子や娘が、加藤清次郎君や芦田愛菜ちゃんの幼少期と同じ時期だっと事もあり、子どもたちと彼らの成長を重ねながら、親の気持ちになり涙してしまった場面もありました。

 

子どもの成長は本当に早い。

(もっと、こうすれば良かった)

(ああすればよかった)

など、はたらく細胞の映画を観ながらまるで走馬灯のように、昔の事を思ってしまいました。

 

白血球の突然変異

初めは、父親の不摂生からくる病気のお話だと思っていましたが、健康な芦田愛菜ちゃんの体内で起こるお話でした。

 

白血球の突然変異からなる急性白血病。

 

こればっかりは、健康に気を付けていてもわからない。

 

それでも、体中で働く細胞たちが必死に体を守ってる姿に感動します。

 

最後まで諦めず、体を守る細胞たちに感謝です。

 

エンドロールでは、医学部目指し、見事合格した日胡ちゃんの分かりやすい勉強ノートが登場人物と共にお披露目されます。

 

(わ、分かりやすい…)

 

なんだか、そのノートを見るだけで、医学部に合格できるんじゃないかと思うほど、分かりやすいノートで、思わず見入ってしまいました。

 

お正月にピッタリのおすすめ映画です。

 

映画館に足を運んでみてはいかがですか?

 


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1951年の日本公開映画【5選】

昔の映画はいつ観ても心に響きます。

人の心はいつの時代も複雑なものです。

 

 

黄色いリボン

ジョン・フォード監督/ジョン・ウェイン

 

40年間の騎兵隊生活をもうすぐ終えようとする大尉ネイサン。

 

最後の仕事は隊長の妻と姪を護送する事だった。

 

駅場所の出発駅に着いてみると、そこはインディアンの襲撃を受けた後で仕方く軍を引き上げることにしたのですが…

 

 

イヴの総て

ベティ・デイヴィス/アン・バクスター

アメリカ演劇界で最高の賞をイヴ・ハリントンに贈られます。

 

満場の拍手の中、イヴの本当の姿を知る数人は、複雑な表情で彼女の受賞をみていました。

 

8か月前、劇作家ロイドの妻カレンは、大女優マーゴに憧れて毎晩のように楽屋に訪れるイヴをマーゴに引き合わせました。

 

マーゴはイヴの悲しい身の上話に心動かされ、彼女を秘書として雇います。

 

しかしイヴは本性を現し始め、マーゴの周りの演劇関係者たちに取り入ってほかの人々を踏み台にし、栄誉の席へとついていったのでした。

 

イヴの演技と表情が最強。

 

人間の生臭さや強さ、弱さが表れ、その世界でのし上がっていくという事は、大変な事だと思いました。

 

ちょい役のマリリンモンローがかわいい。

 

サンセット大通り

グロリア・スワンソン/ウィリアム・ホールデン

 

ロサンゼルスのサンセット大通りにある邸宅で1人の男性が殺害される事件が起きます。

 

被害者は、しがない脚本家のジョー・ギリス。

 

事件の発端は半年前。

 

脚本家のジョー・ギリスは、脚本を映画会社に採用されず貧窮のどん底にいました。

 

取り立て屋から逃げる際に逃げ込んだ屋敷には、サイレント映画時代の元スター女優ノーマ・デズモンドが住んでいました。

 

ノーマは自身を今も大スターだと思い込んでいて、いつでも復帰できると考えていました。

 

彼女は自身が書いた「サロメ」の脚本の手直しをジョーにお願いします。

 

生活のどん底にいたジョーは、彼女の要求を受け入れて、ノーマと共同生活を送ることになります。

 

しかし、ノーマが次第にジョーへの愛情を示すようになり、ジョーはノーマから逃れようとします。

 

ところが、ノーマが自殺未遂を起こしたため、そのままずるずると生活を送るようになるのでした。

 

そんなある日、ノーマが所有する自動車を貸して欲しいと映画会社から連絡があります。

 

ノーマは自分の出演オファーだと勘違いし、かつて大物女優だった時のようにふるまい妄想がだんだんとひどくなっていきます。

 

そんな中、ジョーは同じ脚本家のベティと恋仲になります。

 

ノーマには、召使のような元夫のマックスがいましたが、その関係が見つかると、ノーマに見つからないように忠告を受けるのですが…

 

叶うことのない夢を抱えた2人が出会い、破滅へと突き進んでいくお話。

 

現実を直視する勇気、現実を変えようとする決断する勇気もない2人。

 

元夫のマックスがノーマに見せつける愛情もねじ伏せた愛情だった…

 

怖い。

 

題名のサンセット大通りは陽の当たる場所から破滅へと落ちるそのものでした。

 

 

レベッカ

ジョン・フォンティーン/ローレンス・オリヴィエ

 

ヴァン・ホッパー夫人の付き人としてモンテカルロのホテルにやってきた主人公の「わたし」は、イギリスの大富豪マキシムと出会い、恋に落ちます。

 

マキシムは1年前にヨットの事故で前妻のレベッカを亡くしていました。

 

「わたし」は多くの使用人がいる邸宅の女主人としてマキシムと一緒にやっていこうとするのですが、かつてのレベッカの使用人で邸宅を取り仕切るダンヴァース夫人に受け入れてもらえず、次第に自信をなくしていき、かつてのレベッカの見えない存在にも精神的に追い詰められていきます。

 

 

そんな中、船内からレベッカの死体が見つかります。

 

事故だとされていたレベッカの死とマキシムとどういう関係があるのか?

 

ダンヴァース夫人の不気味過ぎる行動と主人公の「わたし」が怯える姿に背中がゾクゾクする最後までハラハラドキドキの映画でした。

 

ジョン・フォンティーンの演技とヒッチコックのサイコスリラーは見応え抜群だと思います。

 

「ガス燈」の主人公も精神的に追い詰められる映画でしたが、人間の弱さ、追い詰められた時の周りの対応がものすごく大切なのだと思いました。

 

ただし、その事に気付くのは、よほどその人物について理解していないと分からないということ、いくつもの偶然が重なり合って出来ていく事、人間の弱さ、嫉妬、もろさ、全てが絡み合った出来事なのだということ。

 

人間は自分が大切です。

人の事をじっくり見ていることはあまりないと思います。

 

つい、自分の生活を優先してしまうので、物事を自分の良いようにとらえてしまいがち。

 

そんなちょっとしたことで、誤解が生じてきます。

 

どちらも人間の弱さと強さを思い知らされる映画です。

 

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オルフェ

ジャン・マレー

詩人のオルフェが行きつけにしている「詩人カフェ」に、王女と呼ばれる女性が現れます。

彼女は同行者の詩人セジェストがバイクにはねられて死んだので、オルフェに手伝わせて、彼女のロールス・ロイスに死体を乗せます。

車が付いた建物で、王女はセジェストを生き返らせて、鏡の中に消えてしまいます。

その後を追うオルフェは鏡にぶつかり気を失います。

目が覚めると建物はなくなっていて…

 

愛とは何なのでしょうか。

歪んだ愛、嘘だらけの愛、どれもその瞬間は真実の愛なのかもしれません。

映画や小説をみると「愛」そのものが分からなくなってしまいます。

 

愛はどこかで誰かと出会ったことで、間違った方向に行ってしまったりします。

 

幻を本物と捉えたり、その瞬間だけを信じたり、冷めてしまった愛、嘘だらけの愛、それでどれだけの人間が苦しんできたのだろう。

 

人生を生きる中で何事もなく過ごせたら、どれだけ幸せなんだろう。

 

多くの映画で見る人間というものを、自分の人生と重ねながら愛について考えさせられる私なのでした。

 

1950年に日本映画館で公開された洋画【5選】

1950年代に活躍した女優たちといえば、「ライムライト」でチャップリンと共演したクレア・ブルーム、「地上より永遠に」の妖艶な魅力で有名になったデボラ・カー、「巴里のアメリカ人」でデビューしたレスリー・キャロンなど、多くの名花たちが思い浮かびます。

今回は1950年日本映画館で公開された洋画をご紹介。

 

 

自転車泥棒

 

盗まれた自転車を取り戻そうと奔走する親子の姿を通して、戦後の貧困にあえぐイタリア社会を描いた映画。


舞台は第二次世界大戦後のローマ。


不況で失業中だったアントニオは職業安定所の紹介でようやくポスター貼りの仕事を貰えます。


しかし、仕事には自転車が必須。彼は妻の嫁入り道具のシーツを質屋にいれ、自転車を得ることが出来ました。


喜びもつかの間、ポスターを貼っている間に、自転車を盗まれてしまいます。

犯人を捕まえるべく、息子と共に犯人捜しをするのですが…

 

親は自転車を取り返すことが目的になっていて、ちっとも息子の気持ちを考えません。心の余裕がないという感じ。

 

息子はいつだって、父親の側を離れず、常に父親の事を考えています。

 

いつものことながら、心に余裕がなければ、子どもの気持ちに気付かず、自分の事で頭がいっぱいになってしまう大人に自分を重ねてしまいました。

 

 

イースター・パレード

 

ミュージカルスターのジュディ・ガーランドとフレッド・アステアが初共演を果たしたミュージカル映画。


舞台は1910年代のニューヨーク。


ダンサーのドン・ヒューズ(フレッド・アステア)は自らその才能を見いだした恋人ナディーンとコンビを組んで人気を集めていました。


ところが、ナディーンは他の興行に引き抜かれ、ドンのもとを去ってしまいます。
自暴自棄になったドンは、酔った勢いで酒場の踊り子ハンナ(ジュディ・ガーランド)をスカウトします。


ダンスの基本すら知らないハンナを新たな相手役にしようと四苦八苦するドンでしたが、やがて、ハンナの個性をいかせば上手くいくことに気づきます…

 

 

 

赤い靴


アンデルセン童話「赤い靴」を元にバレエダンサーの愛憎と悲劇を描いた名作です。

 

舞台はイギリスロンドン。

 

ロンドンのバレエ団にバレリーナのビッキーと新人作曲家の青年ジュリアンが入団します。

 

アンデルセンの「赤い靴」をモチーフにした新作バレエが大成功を収め、2人はやがて愛し合うように。

 

しかし、バレエ団を主宰するレイモンドは、ビッキーがバレエだけに集中するようジュリアンをクビにしてしまいます。

 

ビッキーはバレエを取るか それとも愛を取るか悩み、結論を出しますが、自身の意思とは別に靴は動き、まるで赤い靴に命があるように踊り続けます。

 

そしてラスト、彼が赤い靴を持ち 照明がその部分を示すシーンは もの悲しく、強烈な印象を残し終えるのでした… 

 

 

わが谷は緑なりき


舞台はイギリス、ウェールズ。

 

イギリス、ウェールズ地方の炭鉱町で暮らすモーガン家の男たちは、まだ10歳の末っ子のヒュー(ロディ・マクドウォール)を除いて皆炭坑夫として働いていました。

 

父ギルム(ドナルド・クリスプ)を始め5人の兄たちが稼いだ賃金は、いつも家の戸口で出迎える母ベス(サラ・オールグッド)のエプロンに置き、姉アンハード(モーリン・オハラ)が湧かしたお湯で身体を洗い、食事につくのが日課でした。

 

そんな平穏な日々の中長男が結婚。

 

披露宴の日、アンハードは新しく谷に赴任してきた牧師グリュフィード(ウォルター・ピジョン)と出逢い、互いに惹かれあいます。


貧しくも平和な日々を過ごす彼らでしたが、炭鉱の経営者が賃金を引き下げます。
組合結成を巡って父と息子たちが対立し、一家はバラバラになり…

 

 

 

情熱マノン

 

舞台は第二次世界大戦下のフランス。

 

セビリヤの名門貴族の青年ロドリゴは、ひょんなことからナチス占領下で売春をしていた女性マノンを救います。


マノンは、戦時下の混乱の中で生きるために、自らの身を売ることを余儀なくされていました。

情熱的で自由奔放なマノンにあっという間に心を奪われたロドリゴ。

 

貴族としての約束された将来を捨て彼女と駆け落ちします。

 

しかし、享楽的な生活を求めるマノンは、金のために平然と愛を売るような真似をし、そんな彼女に心を痛めつつも、盲目的にマノンを愛し続けるロドリゴ。

 

彼の身には、家族や親友の言葉は届かないのでした。

 

そしてひとたび罪を犯せば、罪が罪を呼んでいき…


一人の女性のために、ロドリゴは破滅への道を突き進んでいくのでした。

 

愛は盲目と言いますが、真実の愛とはいったい何なのでしょうか。

お互いが相手を思いやる気持ち、そして価値観の違いは大きく影響されます。

自分を見失うことのないようにしたいものですが、それが出来ないから人は苦しむのかもしれません…

1952年の日本公開映画【5選】

1939年に製作された「風と共に去りぬ」は、カラーで画期的な映画でした。

当時の日本は、満州事変、日中戦争、そして第二次世界大戦へと戦争の泥沼にはまり込んでいたので、日本公開は1952年となってしまいました。

今回は1952年日本公開映画を5選ご紹介します。

 

 

風と共に去りぬ

クラーク・ゲーブル/ヴィヴィアン・リー

製作費600万ドル、上映時間4時間。

1930年代に作られた最も輝く名作だと私は思っています。

風と共に去りぬのあらすじ

南北戦争直前のジョージア州。

その一画にあるタラの大地主の令嬢スカーレット(ヴィヴィアン・リー)は、幼なじみのアシュレイ(レスリー・ハワード)を熱愛していました。

しかし彼は、いとこのメラニー(オリヴィア・デ・ハヴィランド)と結婚してしまいます。

スカーレットは、野性的な実業家のレット・バトラー(クラーク・ゲーブル)に出会い、お互いビビっとくるのですが、アシュレイへの腹いせにメラニーの兄と結婚するのでした。

戦争で夫を失ったスカーレットでしたが、戦火の中をレットに助けられ、レットの求婚をとうとう受け入れるのでした。

それでもまだスカーレットは、アシュレイへの思いを捨てきれずにいました。

愛娘のボニーの死やメラニーの死もあり、レットはスカーレットのもとを離れます。

そこで、スカーレットはアシュレイの幻を愛し、どれだけレットの事を愛していたかを知ります。

すべてを失ったスカーレットは、故郷タラの大地とともに、力強く生きる決意をするのでした。

絶世の美女ヴィヴィアン・リー

初めて【風と共に去りぬ】を観たのは中学生の時。

ヴィヴィアン・リーを見てこの世にこんな美しい女性がいるのかと思いました。

当時は映画の内容よりも、ヴィヴィアンの美しさとドレスが目当てでした。

序盤の園遊会のシーンに映るドレスを着たヴィヴィアンから、落ちぶれた自分をレットに見られたくないスカーレットが、カーテンで作らせたカーテンドレスまで、全てが美しく幾度となく観てきたものです。

 

そんなスカーレット・オハラ役の女優がなかなか決まらなかったのは有名な話ですね。

撮影は主演女優不在のまま開始されていました。

アトランタ炎上のシーンの撮影が終わりかけていたスタジオに英国の新人女優ヴィヴィアン・リーが見学に訪れていたのでした。

一目見て監督は「彼女こそが、スカーレットそのものだ」と確信したそうです。

ご存知の通り、ヴィヴィアン・リーはスカーレットを見事に演じたのでした。

野性的な魅力のクラーク・ゲーブル

今では考えられないのですが、当時学生だった私は、私の頭の中でのスカーレットに似合うレットは、甘いマスクの男性を想像していました。

クラーク・ゲーブルは当時なかなか受け入れられなくて、(もう少しカッコいい人がいるのでは?)と思ったものでしたが、今思うとやはり彼以外にレット役が似合う俳優はいないと思っています。

クラーク・ゲーブルの、あのにひるな笑みや男らしさあふれるオーラは、まさにレット・バトラーそのものでした。

そんなクラーク・ゲーブルも当時は、レット・バトラー役を拒んでいました。

誰もが彼しかいないと思っていたのですが、「大ベストセラーの主人公をスクリーンに再現するのは、荷が重すぎる」という理由で断っていたのだそうです。

しかし、プロデューサーに「こんなチャンスは二度とない」と勇気づけられ、レット役を承諾し、期待通りみごとに演じきったのでした。

どんな時代にでも生きていけるスカーレットとレット

レットとスカーレットは利己的で自分を主張する強さを持っています。

そんな強さが欲しいところですが、そんな2人だから、結婚生活はうまくいきませんでした。

けれども、その強さがあるからこそ、すべてを失っても故郷タラの大地を思い出し、つぶやくスカーレット。

「明日は新しい風が吹くわ」

 

全てを失っても、強く生きようとするスカーレットに私も含め人々に感動と勇気を与えてくれる【風と共に去りぬ】の魅力なんだろうと思います。

 

第三の男

ジョゼフ・コットン/オーソン・ウェルズ/アリダ・ヴァリ
第三の男のあらすじ

アメリカ・イギリス・フランス・ソ連の分割統括下にある大戦後のウィーン。

作家のホリー・マーチンス(ジョゼフ・コットン)は、親友ハリー・ライム(オーソン・ウェルズ)に招かれウィーンを訪れていました。

ところが、ハリーは交通事故死。

ハリーの葬儀後、国際警察のキャロウェイ少佐は、ハリーが悪質な闇商人だったと告げます。

真相究明に乗り出すホリー。

そんなある夜、ハリーが突然姿を見せるのでした。

ハリーはペニシリンを密売する闇商人。

ホリーは正義感とハリーの愛人アンナへの恋心から、少佐の指示のもと、ハリーをおびき出すおとりとなって地下水路においつめます。

追い詰められたハリーはホリーに撃たれ、帰らぬ人となるのでした。

 

オーソン・ウェルズといえば

オーソン・ウェルズと聞くと思い出すのが「イングリッシュ・アドヴェンチャー」という日本の英会話教材?でナレーションをされていたということです。

新聞の広告欄にこれでもかという位毎回掲載されていたように記憶しています。

実際に購入したことも、聞いた事もありませんが、どんな教材だったのかは気になります。

第三の男のオーソン・ウェルズはまだ若かりし頃のオーソン・ウェルズですね。

 

第三の男は、映画音楽でも有名です。

監督リードがウィーンに訪れた際、ワイン酒場で聞いた民族楽器のチターの音色が耳について離れなかったらしく、「チターのみで映画音楽を」とアイデアを思いつき、酒場でチターを引いていたアントン・カラスに連絡し、監督の家であの名曲を完成させました。

カラスは作曲のたまに、第三の男を500回も観たのだそうです。

あの名曲で流れるのチターの音色は私も耳について離れません。


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陽の当たる場所

モンゴメリー・クリフト/エリザベス・テイラー
陽の当たる場所のあらすじ

富と名声を得ようと野心に燃える貧しい青年ジョージ・イーストマン(モンゴメリ・クリフト)は、伯父の経営する工場に招待され、同じ職場のアリス・トリップと恋仲になります。

そんな時、豪富の令嬢アンジェラ・ヴィッカース(エリザベス・テイラー)と出会い、愛し合います。

妊娠し、結婚を迫るアリスが邪魔になってくるジョージ。

ジョージは、アリスを湖に連れ出します。

しかし、アリスを殺すことをためらっているうちに、ボートが転覆し、アリスは溺死してしまいます。

裁判でジョージは殺意を否認しますが…

 

妊娠した恋人を溺死させた実際の事件をモデルにアメリカの作家セオドア・ドライサーが描いた小説「アメリカの悲劇」を映画化したもの。

原作では、貧しい青年が女性を踏み台にして、「陽の当たる場所」へ這い上がろうとあがいて、破滅に至るという悲劇が描かれています。

いつの時代も人間の考えることは同じだなぁ…

それを小説や映画にして何度も伝えられているのに、結局また同じ繰り返しをしてしまう。

頭で分かっていても、どこかで(そんなこと自分には関係のない話)と思っているからなのでしょうか。

誰にでも起こりえる話なのに、自分には関係がないと決めつけて、きちんと向き合っていないから起こる悲劇。

些細な事の積み重ねから大きく傷が広がっていく話は多くありすぎてその辺にたくさん転がっています。

人は、同じ過ちを経験することで、それ自体を受け止め、またそれを伝えることで、今抱えている傷よりも少しづつ、小さい傷にしていくしかないのかなぁと思うのです。

ちなみに当時アンジェラを演じたエリザベス・テイラーは当時19歳という若さでした。一番美しい時ですね。

 

誰がために鐘は鳴る

ゲイリー・クーパー/イングリッド・バーグマン
誰がために鐘は鳴るのあらすじ

内乱が起こるスペイン。

アメリカ人の大学講師ロベルト(ゲイリー・クーパー)は、政府の軍事輸送を阻止する為の作戦に参加していました。

彼に与えられた新任務は山間の峡谷にかかる鉄橋の爆破。

彼は、そこでファシストに両親を殺されたマリア(イングリッド・バーグマン)と恋に落ちます。

しかし、彼らの恋はやがて悲劇的な運命をたどることになるのでした。

 

著者はアーネスト・ヘミングウェイ。

「日はまた昇る」「武器よさらば」「老人と海」などが有名です。

 

実際に髪を短くして撮影に入ったイングリッド・バーグマンは、体当たりの演技。

ゲイリー・クーパーとのキスシーンでは「キスをする時鼻はどうするの?鼻が邪魔をするわ」というセリフが有名です。

カサブランカのイングリッド・バーグマンも綺麗でしたが、こちらの映画でも美しさは際立っていました。

 

欲望という名の電車

ヴィヴィアン・リー/マーロン・ブランド
欲望という名の電車のあらすじ

ルイジアナ州ニューオリンズが舞台。

かつて南部の大地主だった家柄の若き未亡人ブランチ・デュボア(ヴィヴィアン・リー)彼女は夫の死後、故郷を離れ、スタンリー・コワルスキー(マーロン・ブランド)と結婚した妹のステラを訪ねます。

プライドが高いブランチと粗野なスタンリーはそりがあわず、衝突ばかり。

そんなブランチは、スタンリーの友人ミッチと知り合い、人生をやり直そうとします。

しかしスタンリーはブランチの過去を知り…

 

この映画は登場人物の視点から見ると、感じ方が違うかもしれません。

つい、自分の価値観で物事を考えたり、観てしまいますが、異なる立場で観てみると、作品の意味が分かります。

小説や映画だとそれができるのに、実際に自分の身に起こっている時はそんな余裕なんてないんですけどね。

自分を客観視してみる。この映画を観るとなぜか強くそう思ってしまうのです。