世界遺産には顕著な普遍的価値、世界中の、どの世代の人がみても「これは素晴らしい」と思えるものがあると学びました。
それを証明するために10個の登録基準がありますが、今回は日本の自然遺産について考えてみたいと思います。
日本の自然遺産の特徴って何だろう?
日本の自然遺産は全部で5つ。
知床、白神山地、屋久島、小笠原諸島、奄美大島・徳之島・沖縄島北部及び西表島の5つです。
10個の登録基準のうち、自然遺産に関係する登録基準は(ⅶ)(ⅷ)(ⅸ)(ⅹ)の4つ。
日本の自然遺産5つのうち、(ⅸ)が4件、(ⅶ)が1件、(ⅹ)が2件あります。
登録基準の(ⅷ)は日本の自然遺産ではありません。
こうやって見てみると日本の自然遺産は(ⅸ)が多いです。
(ⅸ)はどんな登録基準かというと、動植物の進化や発展の過程、独自の生態系が見られることです。
日本は島国なので、多様な生態系、多くの固有種が多く生息するんだなぁということが分かります。
あとは、登録基準(ⅶ)屋久島の自然の景観美があります。
ますます、屋久島へ行きたくなりました。
そして登録基準(ⅹ)は、絶滅危惧種がいるということ。
違法採取などから希少な絶滅危惧種を守っていきたいものです。
それでは日本の自然遺産について簡単にみていきたいと思います。
知床
知床に訪れた時、一番感動したのは知床五湖でした。
近くにあるカムイワッカの滝はうろ覚えですが、歩けた記憶があります。
訪れた時期は夏だったので、気候もよく北海道らしいといった青空と自然を満喫しました。
その他北海道の食べ物をおいしくいただきました。
当時は「美味しいね」だけで満足していた私ですが、豊富な栄養塩を含むことで植物プランクトンが供給されて、それを魚が食べて、その魚をクマが食べて…と海から陸まで続いていく食物連鎖があってといった事などから知床をみると、自分が口にしていた食べ物に、より感謝出来ていたなぁと思うのでした。
白神山地
白神山地といえば、ブナ林しか思い浮かばないのですが、ただブナ林がある。
というだけではなくて、ブナは落葉樹で、葉っぱが落ちてどんどん層になって、まるでお菓子のミルフィーユの様な状態になるということ。
そして年間約8トンもの葉っぱが層になって落ちることで、葉っぱのクッションになって、そこに多くの生き物が生息することが出来るということ。
その事によって別の生き物が生きていけるといった感じで、ナデシコ科の固有種アオモリマンテマのような新種植物が存在するんだということ。
白神山地はブナで有名なだけで終わらせるのはもったいない。
氷河期を生き残ったブナの原生林と隆起を続け、地すべりによって変化する地形とブナの根それぞれが絡み合うことで変化していく地形が特徴なんだなと考えると面白いです。
小笠原諸島
海洋島:誕生してから一度も列島や大陸と陸続きになったことがない島のこと
環境に応じて独自に分化した適応放散が見られる。
適応放散3W(WIND,WAVE,WING)
陸続きで渡り歩くことが出来ないので、風に乗ってきたり、波に乗ってきたり、翼で飛んでくるといった形でしか来れない。
その環境のなかで、それぞれ独自の進化を遂げている。
・種が分かれていく
・葉っぱの表と裏とでも異なる
・陸産貝類の約95%が固有種
・哺乳類の固有種は、オガサワラオオコオモリのみとなっているのが特徴。
小笠原諸島は、亜熱帯に属しているので暮らしやすいといわれています。
一般の人が生活しているのは、父島と母島のみとなります。
人が生活し、観光客が訪れることで問題となるのが、外来種の問題です。
外来種が固有種を食べてしまったりすることです。
例として、ヤギやグリーンアノールです。
小笠原諸島は、生きている間に訪れたい場所ではありますが、知らない間に私も外来種を運んでくるかもしれないと思うと、こういった問題は他人事ではないなと思います。
屋久島
九州最高峰である宮之浦岳があるということもあり、海の湿った風が当たることで多くの雨を降らせます。
その雨が滝を作ったりして森をつくります。
屋久島の特徴としては、狭いエリアの中に高い山々があるので、植物が垂直に分布していく、日本を南はガジュマルやアコウからスギ、ツガ、モミなど北に移動するような植物の分布がみられるということです。
日本で唯一の自然美としてある屋久島。
その世界に認められた島をこの目で見たいものです。
奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島
最後に奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島。
大陸から陸続きだったのが、切り離されてそこに残された動植物が、絶滅した後の遺存固有種となっているということが特徴です。
この4島に生息する代表的な生物に、アマミノクロウサギ、イリオモテヤマネコ、ルリカケスなどがいます。
遺存固有種となっているルリカケスは天然記念物にも指定されていて、名前の通り瑠璃色の羽をしたとても綺麗な鳥で、写真でしか見た事がありませんが、うっとりする美しさです。
世界遺産と聞くと、表面だけしか知らなかったのですが、丁寧にみていくと分かっていなかった事の方がずっと多いです。
旅行好きということもあって、学んだことで行きたくなった場所が増えました。
参考にさせて頂いたもの