日本が世界遺産条約を採択した年は1992年。
この年は文化的景観という新しい概念が出された年でもありました。
またユネスコ世界遺産センターという世界遺産委員会の事務局を務める機関が設立された年でもあります。
日本で最初の【世界遺産】
1993年に日本で最初の世界遺産4件が誕生します。
日本で最初の世界遺産になったのは、法隆寺、姫路城、屋久島と白神山地の4つです。
法隆寺地域の仏教建造物群
文化の価値観の交流がある登録基準(ⅱ)
現在現存する世界最古の木造建築の1つで有名です。
作られた当時の約20%は当時の素材がそのまま残されているという風に言われています。
文化交流として見ると、シルクロードを通ってヘレニズムの文化が伝わってきたということが証明されていたり、伽藍配置といった寺院の遺跡から独自の進化を遂げたり、登録基準(ⅳ)の建築技術を証明されているのがわかるのも歴史を感じます。
また五弦琵琶(琵琶はふつう弦が4本ですが、これは5本でインドで生まれた楽器。)など日本の宝物として残るという部分も大きな価値とされています。
初めて訪れてから何十年も行っていませんが、そういった部分をもう一度見学したくなりました。
姫路城
私は関西在住なので、日本の世界遺産を訪れやすいのはありがたいことです。
姫路城もその内の1つですが、姫路城は駅を降りるとまっすぐな道路の先から見える白漆喰による外観の美しさは言葉に出来ないほど美しいお城です。
都市計画もされており、周りを守られていることによってその美しさが際立つところが姫路城の良いところだなと思います。
世界的に有名な姫路城ですが、もしかしたらなかったかもしれないお城だったんです。
それは、明治時代の「廃城令」によって解体が計画されていたこと。
当時売却されていた値段は23円50銭という非常に安い金額だったそうですが(現在でいうと数十万)そのお城を取り壊すのにメチャメチャ費用がかかったために、取り壊されず手放されたのだとか。
もし、解体費用がそれほど高くなかったら今頃姫路城はなかったのかもしれないんだと思うと、今後も守っていって欲しい世界遺産だなと思いました。
屋久島
鬱蒼と茂った森で独自の景観を生み出しているということで、登録基準(ⅶ)日本で唯一の景観美、自然って美しいなという世界で認められた場所です。
九州の中で一番高い山の宮之浦岳があることで、そこに海の湿った風があたり、多くの雨をふらし、深い森になっていくといった地形を考えると自然ってスゴイって思います。
雨が多いことで有名ですが、作家の林芙美子の小説「浮雲」の中で「ひと月に35日雨が降る」と例えられるくらいです。
東京23区より少し小さい島の屋久島は、海岸線から標高が上がるごとに異なった気候帯の植生が見られるのですが、これを垂直分布と言い、アコウやガジュマル、タブノキやイスノキ、アカガシやウラジロガシ、スギ、モミからミヤマビャクシンやヤクシマシャクナガと幅広い植物分布が見られます。
白神山地
東アジアに残る最後の原生温帯林と呼ばれる白神山地。
ブナ林が有名ですが、他にも特別天然記念物のニホンカモシカやツキノワグマなど14種の哺乳類やクマゲラやイヌワシなどの鳥類が生息しているそうです。
世界遺産を学びながら旅をすると、時代を代表する木造建築物や日本古来の信仰形態が現代の私たちにも影響を与えていることがわかります。
今まで気づこうとしなかった日本列島には、さまざまな森林が存在し、異なった生態系があるということが、日本の自然環境の特徴なんだということが分かりました。
登録基準を覚えるのが難しいなと思ったのですが、実際に訪れる時、どんなところを見ると、おもしろいかなと内容から見ていくと自然と頭に入ってきます。
世界遺産は1223件と多いですが、世界に認められた全ての人たちの宝物です。
生きている間に、1つでも多くの世界遺産を訪れたいと思います。
参考にさせて頂いたもの