スタジオジブリの作品「もののけ姫」
スタジオジブリの作品の多くは架空の世界が舞台となっているにもかかわらず、参考となった場所と言われている屋久島と白神山地。
これら世界遺産について簡単に調べてみました。
旅行の際の参考にしてください。
もののけ姫のあらすじ
写真:もののけ姫 - スタジオジブリ|STUDIO GHIBLI
舞台は中世の日本。
人への憎しみと恨みから「タタリ神」として化した猪神から呪いを受けてしまったエミシの村の少年アシタカ。
呪いを解くために、猪神が来た西の地へと旅立ちます。
「シシ神」が住む太古の森を抜け、たどり着いたのは、エボシ御前率いるタタラ場。
そこには世間から弾き出された人々が鉄を作りながら暮らしていました。
しかし、それは神々の住む森を破壊する行為なのでした。
アシタカは、森を守るため、エボシに挑む山犬に育てられたといわれる人間の娘「もののけ姫」の存在を知り…
人を寄せ付けない神秘的なシシ神の森は、「屋久島」を参考に、アシタカの故郷であるエミシの村は、「白神山地」を参考にされているといわれています。
東アジアに残る最後の原生温帯林
青森県南西部と秋田県北西部をまたぐ広大な山岳地帯の総称が「白神山地」です。
1993年に世界遺産の自然遺産として登録されています。
登録基準は(ⅸ)動植物の進化や発展の過程、独自の生態系を示す遺産です。
有名なのは約8000年前に現在の分布域に達していたとされるブナなどの落葉広葉樹林が、残されているということ。
日本以外のブナは、氷河期に大きく分布を変えました。
日本のブナは氷河に覆われることがなかったので、原生林に息づく生物多様性が保たれたということです。
またブナ林はかつて日本各地にありましたが、用材などで伐採されてしまいました。
白神山地のブナ林は、人里から離れていたことと、地形が急だったということで、伐採されずに済んだのです。
ブナの木は、高さ20メートル以上にもなり、今でも林道や歩道、建築物が存在せずに高い原始性が保たれているのだそうです。
ブナ以外にも、ナデシコ科の新種植物であるアオモリマンテマや、特別天然記念物ニホンカモシカ、ツキノワグマ、さらには絶滅危惧種のクマゲラやイヌワシなどと鳥類も生息している白神山地。
映画と同様、この貴重な自然を大切にしていきたいと思いました。
白神山地への行き方
JR奥羽本線「二ツ井駅」から約1時間10分
秋田自動車道「二ツ井白神IC」から約1時間20分
花崗岩が隆起してできた屋久島
九州最南端から南へ約60キロメートルの沖合に浮かぶ「屋久島」
花崗岩が隆起して誕生した総面積が約500㎦の島です。
東京23区より少し小さいくらいのイメージしています。
1993年に世界遺産の自然遺産として登録されています。
登録基準は、(ⅶ)自然美や景観美、独特な自然現象を示す遺産と(ⅸ)動植物の進化や発展の過程、独自の生態系を示す遺産です。
日本の自然遺産のなかで唯一自然美が評価されている遺産ですね。
屋久島では海岸線から標高があがるごとに異なった気候帯の植生が見られるのですが、これを垂直分布と言われていて、屋久島の大きな特徴とされています。
この自然環境の中で独特に成長しているスギ。
樹齢1000年を超える屋久島自生のスギを屋久杉と呼ばれているのだそうですが、屋久杉は、年輪の間隔が詰まっていて目の詰まった固い杉なんだそうです。
また、雨が非常に多い屋久島ですが、これは、海上に高い山々がそびえる独特な地形のためで、黒潮が運ぶ温かく湿った空気が屋久島の山にぶつかって多量の雨を降らせるのだそうです。
うっそうとした森は1000年以上の樹齢をもつ屋久杉を中心として作られてきました。
「生」と「死」を司るシシ神の森の姿。
そんな場所だからこそ映画「もののけ姫」の舞台として参考にされたのだと思うと、実際に屋久島へ行く旅するポイントとして自然の美しさと神秘的なものを肌で感じられより心に響くのではないでしょうか。
屋久島への行き方
鹿児島空港より飛行機で約35分。
鹿児島空港より高速フェリーで約1時間45分。
【公式】屋久島観光協会 世界自然遺産「屋久島」の観光・旅行情報サイト Yakushima Japan Tourism