
かつては、「文化財の保護」と「自然の保護」と別々の流れで考えられていましたが、世界遺産条約が採択され、1つの条約として守っていくという考え方になりました。
その後1978年に世界で最初の世界遺産が12件誕生します。
世界で最初の世界遺産。
いったいどんな遺産が世界遺産となったのでしょうか。
どんな遺産が世界で最初の世界遺産になったのか。
世界で最初の世界遺産となったのは次の12件です。
1.イエローストーン国立公園
2.ナハニ国立公園
3.シミエン国立公園
4.ガラパゴス諸島
5.キトの市街
6.クラクフの歴史地区
7.アーヘンの大聖堂
8.ラリベラの岩の聖堂群
9.ヴィエリチカとボフニャの王立岩塩杭
10.ゴレ島
11.メサ・ヴェルデ国立公園
12.ランス・オー・メドー国立歴史公園
世界で最初の世界遺産には、負の遺産や危機遺産、自然遺産もあってバランスが良くて分かりやすい遺産です。
私は12件が登録されている世界遺産には、行った事がありません。
気になるのはイエローストーン国立公園です。
あの青色をした美しい温泉は有名ですが、実際に見る色は写真や映像とどれくらい違って見えるのか?
臭いはあるのかなど、実際に行って確かめてみたいです。
登録基準を簡単に(どんな所が世界的に認められたのか簡単にチェック)
登録基準(ⅰ):人間の才能
登録基準(ⅱ):文化の交流
登録基準(ⅲ):文明の証拠
登録基準(ⅳ):建築・科学技術の発展
登録基準(ⅴ):独自の集落
登録基準(ⅵ):人間の文化と強く結びつく出来事や信仰
登録基準(ⅶ):自然美
登録基準(ⅷ):地球の歴史
登録基準(ⅸ):独自の生態系
登録基準(ⅹ):絶滅危惧種の生息域
イエローストーン国立公園
アメリカのアイダホ州、モンタナ州、ワイオミング州に位置する国立公園。
1872年世界で初めての国立公園で、世界遺産条約の100年前に当たります。
自然遺産として、1978年に登録されました。
登録基準は(ⅶ)(ⅷ)(ⅸ)(ⅹ)。
この国立公園の自然保護は、ウィルダネスという考え方で、人間の手を極力入れない方法で自然を守っています。
バクテリアの影響で青い色をした温泉グランド・プリズマティック・スプリングは、噴火時に地面がドーム状に隆起したもの。
行ってみたい国の1つです。
ナハニ国立公園
カナダの自然遺産として世界遺産に登録されました。
登録基準は(ⅶ)(ⅷ)。
高緯度のツンドラ地帯で、滝やオーロラなども見られるということで、登録基準(ⅶ)の自然美、また地球の歴史の主要段階を証明するとういことでは、河川浸食、地殻変動による隆起、カルスト地形などがある為だそうです。
カナダと聞くと、五大湖を真っ先に思い浮かぶのですが、世界遺産を学んでいくとヴァージニア・フォールズの水流は90mの高さを急落し、ナイアガラの滝の2倍にもなるそう。
オーロラや美しい湖をみながらハイキングが出来る魅力たっぷりのこちらも、行ってみたい場所になります。
シミエン国立公園
エチオピア連邦共和国の自然遺産として登録。
登録基準は(ⅶ)(ⅹ)
国立公園というだけあって魅力的な公園だと予想はつきますが、登録基準の(ⅶ)の魅力は、エチオピア最高地点のラス・デジェン山を含んだシミエン山脈の一部。
何百万年もかけて、絶壁や峡谷を形成した自然美。
(ⅹ)ということで、絶滅危惧種の多く、エチオピアオオカミやゲラダヒヒ、マントヒヒ、キンイリジャッカルが生息しています。
行ってみたい場所ではありますが、現実的ではないので、映像や写真を見るだけになりそうです。
ガラパゴス諸島
エクアドル共和国の自然遺産として登録。
登録基準は(ⅶ)(ⅷ)(ⅸ)(ⅹ)。
自然遺産のすべてを基準としてるガラパゴス諸島。
登録基準は(ⅶ)。
世界のどこにも見られないユニークな景観美。
ダイビングをしていなくても、行ってみたくなる場所です。
(ⅷ)地球の歴史を証明するにあたって、これほど地質学的特徴を保護されている場所はないという理由。
(ⅸ)ダーウィンは島ごとのフィンチのくちばしの形などから、進化論の着想を得ましたが、それくらい適応放散の最も優れた場所なんですね。独自の生態系という代表的な世界遺産です。
(ⅹ)絶滅危惧種の生息域ということで、ゾウガメやリクイグアナ、飛べない鵜、デイジーの木などがあります。
実際に足を踏み入れると、生きていて良かったと思えるくらい感動するんだろうなと思います。
キトの市街
エクアドル共和国の文化遺産として登録。
登録基準は(ⅱ)(ⅳ)。
アンデス山脈中腹の標高2850mもの高地に築かれた年です。
先住民のキトス族が築いた街は、インカ帝国の支配下で、インカ第二の都市として発展したことで、登録基準は(ⅱ)
16~18世紀ごろの教会堂や修道院が残っているので当時の建築技術として登録基準(ⅳ)なのかなと思いました。
クラクフの歴史地区
ポーランド共和国の文化遺産として登録。
登録基準は(ⅳ)。
ポーランド王国の首都として栄えたクラクフ。
旧市街にはヴァヴェル城やルネサンス様式の織物会館などがあったり、レオナルドダヴィンチの油彩画「白貂(しろてん)を抱く貴婦人」があります。
そういったことで、建築技術(ⅳ)が登録されています。
アーヘンの大聖堂
ドイツ連邦共和国の文化遺産として登録。
登録基準は(ⅰ)(ⅱ)(ⅳ)(ⅵ)。
カール大帝(シャルルマーニュ)によって首都となったアーヘンにある大聖堂。
聖堂は八角形の中心部を十六角形の周歩廊が取り囲む集中式構造(見る物が中央にあって、周りにいる人が中央に集中して見る見方)。
具体例が思い浮かばないのですが、キャンプファイヤーの火を皆で囲ってみるといった感じが集中的構造です。
ラリベラの岩の聖堂群
エチオピア連邦民主共和国の文化遺産として登録。
登録基準は(ⅰ)(ⅱ)(ⅲ)。
岩を掘りぬいて築いた聖堂群。聖地エルサレムがイスラム教徒に支配されていた12世紀末、ザグウェ朝(エチオピア中央部に栄えた王朝)7代国王ラリベラが都を第2のエルサレムにしようとしました。
聖堂にはアクスム王国(紀元前後にエチオピア北部に興った王国)の様式を用いたり、ビザンツ様式の影響を感じさせるものがあります。
毎回思うのですが、昔の人は機械もない時代にどうやって建てたのか?掘ったのか?
どれだけの人たちが命を落とし、どんな風に行動していたのかを考えてしまいます。
ヴィエリチカとボフニャの王立岩塩杭
ポーランド共和国の文化遺産として登録。
登録基準は(ⅳ)。
岩塩で築いた礼拝堂がある世界最古の岩塩杭。
聖キンガの礼拝堂と呼ばれる地下101mの空間に、レオナルドダヴィンチの最後の晩餐をモチーフとしたレリーフがあり、塩の結晶で作られたシャンデリアがあります。
その昔、ハンガリーの王女がポーランド王子との結婚に乗りきでなかった為、結婚指輪を投げ捨てた場所から最初の岩塩窟が見つかったといわれていて、ここは行ってみたい場所になります。
他に好きな人がいてたのか、相手の顔が嫌だったのかとかどうでもいいことですが、結婚に乗り気でなかった理由を本人に聞いてみたいです。
地下に入った瞬間、ひんやりとした肌寒い空間に美しいシャンデリアの光のなか、最後の晩餐が奥に飾られてあるといった美しさを想像しています。
ゴレ島
セネガル共和国の文化遺産。
登録基準は(ⅵ)。
あの狭い空間の中に何十人もの人々が、この先売られていく希望が見えない中で何を思い生きていたのかを考えると、絶望や恐怖と不安しかありません。同じ人間として、胸が痛みます。
負の遺産として登録されています。
メサ・ヴェルデ国立公園
アメリカの文化遺産として登録。
登録基準は(ⅲ)。
コロラド州にあるメサ・ヴェルデ国立公園。
12世紀末に築かれたとされる先住民のアナサジ族の住居遺跡。
全部で3つあるのですが、中でもクリフ・パレスと呼ばれるものは、崖下にあって約200人位に人々が住んでいたようです。
貯水・灌漑システムもされていて、当時の豊かな暮らしぶりを感じさせられます。
プライベートはどのくらい守られていたのか?とかも気になります。
ランス・オー・メドー国立歴史公園
カナダの文化遺産として登録。
登録基準は(ⅵ)。
カナダのニューファンドランド島の北端に位置するランス・オー・メドー国立歴史公園には、1000年ころに北欧からやってきたヴァイキングの集落跡があります。
調査によると、青銅器や鉄器などは、ノルウェーの様式の一致していて、北アメリカに最初のヨーロッパ人が築いたんだということが証明されています。
彼らがここでどんな暮らしをしていたのでしょうか。
私が考える事はどうでもいい事ばかりなのですが、登録基準はまんべんなくあるし、自然遺産も納得できるものばかりで、どの国も行ってみたい国になります。
旅してみたいけれど、どこか良い所ないかなぁと思ったら世界で最初の世界遺産になった場所に訪れるのもいいかもしれません。
参考にさせて頂いたもの