
世界遺産には人類にとって、現在だけでなく将来世代にも共通した重要な価値を持っています。
その価値を表すものとして「世界遺産条約履行のための作業指針」があります。
そこには、世界遺産の登録基準や世界遺産の登録の手順、危機遺産の登録基準などが定められています。
登録基準には1~10の登録基準がありますが、今回取り上げる世界遺産は【登録基準1】のみの世界遺産です。
【登録基準1】とは
人類の創造的資質を示す
人間ってすごいものを造ったなぁという人間の才能を示す遺産です。
【登録基準1】は有名な遺産が多くあります。
(姫路城、ヴェネツィアとその潟など)
プレア・ビヒア寺院
カンボジア北部にある高さ547mの断崖に建てられたプレア・ビヒア寺院。
9世紀の初め、ヒンドゥ教のシヴァ神を祀る祠堂が建てられたのですが、11世紀から12世紀にかけ、クメール王朝のスーリヤヴァルマン1世と2世が大改築を行いました。
当時はヒンドゥ教の聖地として栄えていましたが、ヒンドゥ教が衰えると仏教寺院として改築されました。
クメール語で「神聖な寺院」を意味するプレア・ビヒア寺院。
ですがこの地は、シャム王国(現在のタイ王国)と仏領インドシナ(現在のカンボジア王国)の間で国境線の問題がありました。
そして裁判所がプレア・ビヒア寺院一帯をカンボジア領と認定したのですが、一部が帰属未確定としたまま残されていました。
2007年の世界遺産委員会でも登録が審議されていましたが、2008年にカンボジアの世界遺産として登録されました。
イコモスが登録基準1・3・5の価値を認めていたのですが、タイ領の領土抜きにして3・5の価値を保全するのは難しいということで、【登録基準1】のみとなりました。
領土問題は難しいです。
そういった事で、世界遺産登録が波紋を呼んだヒンドゥ教の聖地とされています。
タージ・マハル
インド北部アーグラにあるタージ・マハルはムガル帝国5代皇帝シャー・ジャハーンが産褥熱で亡くなった王妃のために22年もの歳月をかけて建設した白大理石の霊廊です。
総面積は17万㎡で、霊廟、南門、庭園、迎賓館などで構成されています。
これらは完全な左右対称となっていて、幾何学的調和やアラベスク模様などムガル帝国の伝統的な建築様式やフランス・イタリアなど世界各地から職人が集められて建設に携わったこともあり、ヨーロッパのバロック様式の影響も含まれています。
映画【最高の人生の見つけ方】でタージ・マハルが登場していました。
余命僅かの主人公ちたはタージ・マハルで真の愛の証である廊を見た後、自分たちの葬儀について意見を交わしていました。
シドニーのオペラハウス
シドニーといえば、真っ先に思い浮かぶのがオペラハウス。
貝殻の形をした海に面した青い空とコンサートホールは、多くの人が思い浮かぶ光景だと思います。
設計はデンマーク人のヨーン・ウッツォン。
この岬はペネロング・ポイントと呼ばれ、先端にたつオペラハウスは、まるで海に飛び出すかのような建築物です。
風景との調和の美しさと都市彫刻の完成度がとても高い理由で、【登録基準1】のみで登録されました。
映画ではミッションインポッシブルやマトリックスの舞台にもなっていました。
【登録基準1】のみの世界遺産は3つしかありません。
なぜ【登録基準1】のみなのかを考えてみると覚えやすいですね。