
私が素晴らしいと思うものは、夫やこどもたち、友人や海外の方にも同じように素晴らしいと思ってもらえるのでしょうか。
その価値を表すものとして「世界遺産条約履行のための作業指針」があります。
そこには、世界遺産の登録基準や世界遺産の登録の手順、危機遺産の登録基準などが定められています。
登録基準には1~10の登録基準がありますが、今回取り上げる世界遺産は【登録基準5】のみの世界遺産です。
【登録基準5】とは
ある文化(または複数の文化)を代表する伝統的集落や土地・海上利用の顕著な見本。または、取り返しのつかない変化の影響により危機にさらされている、人類と環境との交流を示す顕著な見本
独自の伝統的集落や人類と環境の交流を示す
白川郷五箇山・バンディアガラの断崖など
ヘルシングランドの装飾された農夫の家
スウェーデン東部のヘルシングランド
18~19世紀に建てられた1000戸以上の木造の建造物。
亜麻の栽培や森林開拓で農夫たちは富を得ました。
絵画やバロックやロココ装飾といった邸宅の中には何世代かの家族を収容するものがあったり、際礼時のみに使用されるものもありました。
2階建てが多いですが、2家族が暮らせる平屋建ちの邸宅もあります。
広々とした邸宅に美しく装飾された平屋の家。
想像しただけでうっとりします。
【登録基準5】のみの理由について考える
世界遺産登録されているのは、7軒。
地元の建築と民族芸術の伝統が特徴的に表現されていること。
祭礼用(パーティー用)の部屋や装飾された特別室など、木造の天井や壁に直接描かれた絵画など、北東ヨーロッパの民族文化として貴重な遺産ということで登録基準5なのだということが分かります。
フェルテ―(ノイジードル)湖の文化的景観
オーストリアとハンガリーの国境にまたがる文化遺産。
それぞれ異なる名前があります。
(ハンガリー語ではフェルテ―湖、ドイツ語ではノイジードル湖)
ヨーロッパ最大の塩水湖で、異文化が交わる場所だったので、独特の景観なんだそうです。
塩田やワイン用のブドウ畑など、自然環境と溶け合った人間の営みということで、文化的景観でもあります。
【登録基準5】のみの理由について考える
ハンガリーとオーストリアの境目にあるということで、昔から文化の交流が盛んだったということ。
特にワイン農園といった農業景観や18~19世紀に建てられたハンガリーの貴族エスターハージ家のお城のような館といった貴族の館があるということ。
これらさまざまな文化が交流した場所として登録基準5とされました。
世界遺産には人類にとって、現在だけでなく将来世代にも共通した重要な価値を持っています。
【登録基準1】がつくような有名な場所ではなく、あまり目立った場所ではありませんが、こういった自然環境と溶け合った人々の営みとして文化的景観がある場所は言葉で言い表せない位美しい観光地だと思うので、是非行ってみたいです。