公開と同時にオッペンハイマーの映画を観てきました。
そして感想は今になってしまいました。
アメリカの近代史を知っていなければ話にならないし、登場人物が多くて1回で理解しにくい映画でした。
テーマが多いので、それぞれの視点から見ると良いと思います。
私は難しいテーマは書けませんが、感想を書いてみたいと思います。
あらすじ
原爆の父と呼ばれた男の栄光と悲劇
監督はクリストファー・ノーランで、オッペンハイマーの栄光と挫折、苦悩と葛藤を描いた映画です。
話は第2次世界大戦中、天才物理学者のロバート・オッペンハイマーは、核開発を急ぐ米政府の「マンハッタン計画」において、原爆開発プロジェクトの委員長に任命されます。
しかし、実験で原爆の威力を目の当たりにされます。
さらにはそれが実戦で投下され、恐るべき大量破壊兵器を生み出したことに衝撃を受けるオッペンハイマー。
戦後さらなる威力をもった水素爆弾の開発に反対するようになるのですが……
感想
約3時間もある長い映画でしたが、登場人物の多さと観ている人への訴えるテーマが多すぎて、とても難しかったです。
テーマはもっとあるかもしれませんが、私が感じたテーマは次の5つ。
①赤狩り
②原爆の話
③科学と政治
④オッペンハイマーの妻
⑤水爆開発について
順番にみていきます。
赤狩り
赤狩りは、政府が国内の共産党員およびそのシンパ(sympathizer:同調者、支持者)を、公職を代表とする職などから追放すること。第二次世界大戦後の冷戦を背景に、主にアメリカ合衆国とその友好国である西側諸国で行われた。
アメリカにおける共産党の排除がされていた時代に、共産党とオッペンハイマーとのつながりが疑われているという場面から始まっていました。
鑑賞後すぐに書いていなかったので、ちょっと忘れています。
赤狩りの横暴ぶりも垣間見えるのですが、当時からはもうかなりの年数も経って、当時を知っている人が少なくなり今ようやくテーマに出来てきたといった感じなのでしょうか。
もう、赤狩りの歴史を踏まえて見ないとこの時点で難しいです。
さらに、回想のシーンや似たような顔の登場人物がたくさん出てくるので、俳優さんを知っていればまだ大丈夫ですが、名前と顔の一致、内容の理解と進んでいくので、初めからつまづくと大変です。
途中アインシュタインも登場しますが、ここは似すぎてほっこりしてしまいます。
そしてオッペンハイマーとアインシュタインとの会話がとても気になってしまうのです。(最後にわかります)
原爆の話
原爆を開発する映画だと思っていたのですが、それだけではありませんでした。
テーマが多かったように思うしオッペンハイマーの罪の意識が回想で出てくるところがあり、彼自身について忠実に撮られていたのだと思いました。
科学と政治
結局、天才でもお金や政治から避けては通れないのだと思いました。
天才の苦悩を凡人の私が理解するのは難しいですが、天才であるが故の性格、議論することで人を論破し、人間関係をも悪くしてしまったりと色々ありました。
原子爆弾の開発に対する科学者としての想い。
作るのは科学者だけれど、それを利用するのは政治家。
科学者は研究したくても予算は政府。
予算がないと、研究すらできないんですよね。
結局、政府の都合の良い様になってしまうのかなぁと天才でなくてもここは悲しくなってしまったので、天才ならどんな想いなのかは想像がつきません。
オッペンハイマーの妻
オッペンハイマーの行動が、妻にとってイラっとすることやムカつく事も多々ある状況で、それでも最後は夫を支えるという所が素晴らしくそして強い女性だなぁと思いました。
その強さが欲しい。
水爆開発について
科学者と政治でも書きましたが、作るしかない科学者は、作った後どう使われようが何も言えない。使うのは政治家だから。
ネタバレ注意
最後にオッペンハイマーとアインシュタインとの会話が聞こえます。
オッペンハイマー:我々は世界を破壊してしまった
これを聞いたアインシュタインは、憤りを抑える事が出来ず去っていきます。
アインシュタイン
せっかくなので、アインシュタインの失敗話をここでご紹介
名前:アルベルト・アインシュタイン(1879~1955)
出身地:ドイツ
物理学者
誰もが知っている天才物理学者のアインシュタインですが、得意な事以外はまるでダメ!?だったようです。
それでは、ここで問題
問題
これは、未来のお話です。
タカシ君は、ミクちゃんの家に行こうと思いましたが、ミクちゃんは違う星に住んでいるので、着くまでに、光の速さで5分ほどかかってしまいます。
そこで、タカシ君は光の速さの乗り物で、ミクちゃんの家に行きました。
タカシ君は出発する前にミクちゃんに電話で言いました。
「今から出発するね」
こうして、ミクちゃんの家に向かったタカシ君。
さて、ミクちゃんの家まで、何分かかったでしょうか???
答え
光の速さで5分なら、当然5分と思いますよね。
ところが答えは0分。
こういったあらゆるもののしくみや動きを知る物理学には天才的なアインシュタインですが…
こどもの頃のアインシュタイン
クラスメイトたちには、「のろま」「バカ正直」といった呼び方で呼ばれたいたそうです。何をやらせても、のろのろして失敗。人のいう事なら何でも信じて失敗。
そんなアインシュタインが後悔していること
アインシュタインが生み出したエネルギーの公式を利用して、原子爆弾がつくられたため、アインシュタインは日本に来た時、泣きながらあやまったそうです。
オッペンハイマーがアインシュタインに話した最後の言葉。
アインシュタインにとっても辛かったことと思います。
難しかった映画【オッペンハイマー】ネタバレ感想のまとめ
出来ることなら、もう一度ゆっくり観たいです。
2回目なら確実に理解が深まる映画です。
それでもテーマ別に考える事が出来た映画となりました。
もし鑑賞されるのであれば、予習はされた方がより分かりやすいと思います。