ガネしゃん

「人生に悔いはない」生き方がしたい主婦です。

【うんこ文学】漏らす悲しみを知っている人のための17の物語【ちくま文庫】

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ガネしゃんです。ご覧頂きありがとうございます。

以前読みたかった本で紹介した【うんこ文学】を読みました。

【うんこ文学】は小説からエッセイ、漫画まで様々な作品が「うんこ」という共通項で網羅されている作品です。

自分自身お腹が弱めでピンチな状況も経験したことがあるという方は他人の状況を知りたいと思われると思います。

この本はそんな方にピッタリです。

それぞれが決して下ネタや笑いではないので、偏見無しで読んで欲しい作品です。

うんこ。だれでもうんこをする。日々のことだから、ときには失敗もする。でも、みんなそれを隠す。うんこは下品、汚いと嫌がられる。下ネタとして笑話にするのがせいぜい。人前で漏らしたりしたら、それだけで多くを失ってしまう。それはなぜなのか?生きるかなしみとしての排泄、漏らしたときのせつなさ、それを見事に描ききった文学作品を、自身も漏らしたことのある編者が集めた、渾身の名作選!

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目次

 

第一便 ある日ついに・・・

自分だけは漏らさないと思っていたのに、これまではぎりぎり大丈夫たったのに…

私も学生の頃、授業中や冷や汗をかきながら終業とともに駆け込んでことなきを得たというヒヤリハットはありました。あの鳥肌とじわっ~と流れ出てくる汗はなんともいえません。
通勤時間の満員電車で何度かお腹が痛くなったこともあります。

第二便 人間としての尊厳を失うもらし

人前で漏らしたというだけでなぜ人間としての尊厳まで失ってしまうのか…

私自身、人前で漏らした経験はありませんが、本を読んでいると漏らした話も結構載っていました。しかもあんな名のしれた方も!?と驚きました。話の内容はもちろん綺麗なものではありません。想像もしてしまいます。「げっ」と思った場面もありました。けれどそこは文学。こんな珍しい話なかなか聞けません。本を読んで良かったなと素直に思いました。

第三便 隠せないにおい

漏らしたことは隠せても隠しきれないにおい…

うんこ、それも「漏らす」をテーマに編まれたアンソロジー。

なぜにこうも「漏らす」ことに悲哀がつきまとうのでしょうか。そう思いながら読んでいたらずばりそのことについて論じた作品もあります。阿川家三代排泄粗相話にはクスッとしてしまいますよ。

第四便 うんこへの特別な思い

うんこにまつわる特別な思い出あなたにもありますか?

糞詰まり



便意を我慢しているうちに、大量の便が直腸内にとどまり、水分をすっかり抜き取られて石のようにコチコチに固まってしまうことがあります。

これが俗にいう糞詰まりで、糞便栓塞(せんそく)というそうです。 
脳出血の患者さんや、長期間病床に伏せていて腹筋が弱くなってしまった寝たきり老人などに多く見られます。
また若い人でも、便意を抑えることが習慣になっている便秘症の人や、ダイエットのために朝食を抜いたり、食事量を減らしていることが原因で起こるケースもあるそうです。

糞便栓塞は、通常の下剤やかん腸だけでは解消できません。下剤やかん腸を使えば、多少の便は出てきますが、これは直腸内にとどまっているたくさんの便の表面が溶けて流れ出ただけなのです。特にかん腸液は便の色に似ているので、誤解されやすいです。当然大きな便の塊は、直腸のど真ん中に居座っているので、おなかの張りはいっこうに治らず、気持ち悪いままなのです。

こういった場合の治療は、固くなった便を、医師が指先で少しずつほぐすようにかき出していきます。これは患者にとっても医師にとっても相当辛いものだそうです。下痢も大変です。そして便秘もまた大変なのです。

 

第五便 うんこと真剣に向き合う

うんこを毛嫌いするのではなく真剣に向き合ってみたら…

うんこをつっついた事ありますか?

「いいウンチ」ってどんな?病気が潜む「危険なウンチ」の特徴は? | benpeana365

 

私は何回かあります。自分の子供の便の状態を見た時、小さい頃の記憶ではまだ幼稚園の頃か、弟がパチンコの玉を飲み込んだため、医者から毎日便にパチンコの玉が出てきたか確認する為、うろ覚えながら、母と弟と一緒に見た記憶があります。

第六便 うんこのせつなさ

生きる基本である排泄

そこには生きるかなしみが…

自分の身体なのに、お腹は自分の身体はコントロールできないんですよね。今日は大切な会議があるから、とか分かっていても出したい時に出せないんです。

それは突然にやってくるから…

自分の身体はじつは「得体の知れない」ものと作者も書かれています。

作者

頭木 弘樹(かしらぎ・ひろき):文学紹介者。筑波大学卒。大学三年の二十歳のときに難病になり、十三年間の闘病生活を送る。そのときにカフカの言葉が救いとなった経験から、2011年『絶望名人カフカの人生論』(飛鳥新社/新潮文庫)を編訳、10万部以上のヒットとなる。さらに『絶望名人カフカ×希望名人ゲーテ 文豪の名言対決』(草思社文庫)、『ミステリー・カット版 カラマーゾフの兄弟』(春秋社)を編訳。著書に『食べることと出すこと』(医学書院)、『落語を聴いてみたけど面白くなかった人へ』(ちくま文庫)、『絶望読書』(河出文庫)、『カフカはなぜ自殺しなかったのか?』(春秋社)、『自分疲れ』(創元社)。ラジオ番組の書籍化に『NHKラジオ深夜便 絶望名言』(飛鳥新社)。名言集に『366日 文学の名言』(共著、三才ブックス)。編者を務めたアンソロジーに『絶望図書館』『トラウマ文学館』(共にちくま文庫)、『絶望書店 夢をあきらめた9人が出会った物語』(河出書房新社)、『ひきこもり図書館』(毎日新聞出版)がある。NHK「ラジオ深夜便」の『絶望名言』のコーナーに出演中。日本文藝家協会、日本うんこ文化学会会員。

筑摩書房 うんこ文学 ─漏らす悲しみを知っている人のための17の物語 / 頭木 弘樹 著

「うんこ」と「うんち」のちがい

うんこは硬いイメージ(水分少な目)

うんちは柔らいイメージ(水分多め)

ですが、いかがでしょうか。

感想

こどもから大人まで毎日排泄するもの。どんなに素敵な人でも必ずするもの。

人間だから当たり前ですよね。トイレでするのが当たり前。だけど、間に合わなかったり、そもそもトイレがなかったり外国で使用したらトイレじゃなかったりなどなど。トイレで用を足したものの、流せない!?なんてことありませんでしたか?

誰もが少なからず「うんこ」についてのエピソードはあるのではないかと思っています。

漏らしたことはありませんが、エピソードはいくつか持っています。

そしてこの【うんこ文学】各章「第一便 ある日、ついに…」「第二便 人間としての尊厳を失う漏らし」「第三便 隠せないにおい」と章題だけで読まずにはいられません。
どれも下ネタやウケ狙いではなく後世に残したいうんこ文学集だと思います。

ヤン・クィジャ『半地下生活者』は人間の尊厳とは?と考えさせられます。
私小説・エッセイでは、あの○○さんが、まさかそんな…?!とびっくりしますが、その表現力に思わずそうそうと頷く自分がいるかもしれません。
作品解説も読み応えがあります。

続編の「おしっこ文学」の出版もあるそうで、こちらも楽しみにしています。