ガネしゃん

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世界遺産【真正性】と【完全性】と【文化的景観】

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世界遺産には、関係するキーワードや登録の基準があります。

今回は、真正性、完全性、文化的景観について学んでいきたいと思います。

 

 

ベネチア憲章の真正性

1964年に、ベネチア憲章が採択されましたが、これは世界遺産を保護する時の守り方のルールが、アテネ憲章と大きく変わった所でした。

 

それは、真正性といって建物の景観や独自性をちゃんと受け継いでいるかどうかという事です。

真正性

真正性は簡単に言うと、本物かどうかということです。

 

特に修復する時に、創建時の素材や工法などが、ちゃんと保たれているのかを見られます。

 

具体例として、法隆寺の柱を考えてみます。

 

法隆寺の柱は木材で作られているので、朽ちてきたり、虫に食われたりします。

その時に、柱そのものを全部変えてしまうのではなく、傷んだところだけを変えたり、木材を揃えて、削ったりするという修復をし、当時の同じ物を使用し、作り直しをします。

 

そうすることで、常に本物の姿を保ち続けることができます。

 

これが真正性です。

 

比較するのに、分かりやすいのが「姫路城」と「名古屋城」です。

 

姫路城は、当時と同じ方法で修復作業が行われているのですが、名古屋城は外観は凄く立派なお城なんですが、中にエレベータがあって、近代的に作り直されているので、当時と同じとはいえず、真正性があるとは思えません。

 

とても便利なのですが、周りから見て立派な姿であっても、それが本物かどうか、それが当時の本物のお城かと言われるとそうではありません。

 

姫路城のように、当時のものがちゃんと受け継がれて本物の姿として残っているのが真正性になります。

 

この考え方はベネチア憲章で出された考え方で、これを審査しているのがイコモスになります。

 

イコモスはこの真正があるかないかを見ている文化遺産に関する専門家集団です。

 

名古屋城や姫路城、どちらも訪れましたが、真正性を持つお城へは、足腰が丈夫でないといけないということもあります。

真正性の素晴らしさを味わうためにも、自身の健康管理も大切にしないといけないなと思いました。

 

完全性

完全性というのは、世界遺産が持つ「顕著な普遍的価値」を守るために、必要な要素が完全に揃っているかどうかということです。

 

特に自然遺産で重視されるのですが、遺産を守るため、十分な広さがあるのか、保全管理計画はちゃんと立てられているのか、法整備がされているのかなど、予算や人が揃って、遺産を守っていく上で条件として全て揃っていないと遺産は守れませんよ。

そのための価値を守るための条件が完全に揃っていますか?

というのが完全性になります。

 

人も予算も…となると結構大変な条件になります。

 

文化的景観

文化的景観は、人間と自然の「共同作品」と呼ばれるものです。

 

人間が開発したことで、自然の美しさを高めていく。

 

人間が自然に手を加えたことで、より美しいものになった、人々の文化は自然から多くの影響をうけて出来上がっていくといった感じです。

 

この文化的景観は大きく3つに分類されます。

意匠された景観

1つ目は、意匠された景観です。

 

これは公園や庭園、宗教に関係するもののように、自然に手を加えることによって美しい景観になったものです。

 

意匠された=デザインされたということです。

 

人間の手によってデザインされて美しくなったものを意匠された景観と呼びます。

 

有機的に進化する景観

2つ目は有機的に進化する景観です。

 

有機的というのは「生きて変化する」ということです。

 

元々世界遺産の考え方は、何も変わらず「変化しない」ということが文化遺産の上で重要でしたが、有機的に進化する景観は、農園や宗教空間、また経済活動によって変化していくという風に、自然も「生きて変化していく」ので、そういったものも保護していきましょう。といった考え方が有機的に進化する景観になります。

関連する景観

3つ目が関連する景観です。

 

これは、人の文化と自然から影響を受けた人の文化と自然が関係しあっているものになります。

 

例えば、ニュージーランドにあるトンガリロ国立公園は、雄大な山からその地域とマオリの文化があります。

 

地域の人たちが、地熱によって治療行為を行ったり、火山地帯特有の文化を作り上げたりするといった、人の文化と自然から影響を受けた人の文化と自然が関係しているといった事が、関連する景観になります。

 

トンガリロ国立公園は複合遺産の文化的景観になっているのですが、複合遺産と文化的景観とは違っていて、分かりにくいので、整理しておきます。

 

たとえば、スイスにあるラヴォー地域のブドウ畑は、フドウ畑と人間の営みが織りなす景観です。

 

レマン湖沿いにある急斜面の所が、自然遺産としての価値があるかと言われると、そんなに価値はありませんが、ここに人間が手を加えることによって、ブドウ畑となり、そのブドウ畑が、レマン湖の四季の影響を受けながらより美しい景観となり美味しいブドウ畑になった、という人の文化に影響を与えたということで、人と文化が相互作用し、文化的景観になります。

 

これは文化遺産の文化的景観になります。

 

 

文化的景観➡人と自然が共に作り上げて影響し合っている

 

文化遺産や自然遺産はそれぞれ分けて考えることが出来ないのが文化的景観です。

 

複合遺産は、文化遺産としての価値と自然遺産としての価値、その両方が同じ場所にあるということです。

 

例えば、トンガリロ国立公園は、初め自然遺産として登録されていましたが、マオリの文化的なつながりが認められて、複合遺産となりました。

こちらは複合遺産の文化的景観になります。

 

もう1つ具体例を挙げると、ギリシアにあるメテオラの修道院群は奇岩が立ち並んでいる姿が自然遺産としての価値があります。

 

この奇岩の上に修道院が作られていて、こんなところに、すごい修道院を作ったんだというのが文化遺産としての価値があります。

 

この「文化遺産としての価値」と「自然遺産としての価値」が同じ所にあるので、複合遺産となります。

 

別の機会に、どんなものが文化的景観としてあるのかも書いていきたいと思います。

 

次は登録基準について考えていきたいと思います。

 

参考にさせて頂いたもの

世界遺産とは – 世界遺産検定

 

 

前回の記事はこちら☟

 

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