ガネしゃんです。
ご覧いただきありがとうございます。
今から約2年前の冬。
父が突然自宅で倒れました。
病名はてんかんです。
急な対応等でバタバタしましたが、父のように親が急に病気にかかって介護が必要になったり、外出中や自宅での転倒などによって介護が必要になった人のために、介護保険制度があります。
介護保険制度とは
40歳以上の国民が強制加入となる保険制度です。
介護が必要になったら、ヘルパーなどの介護保険サービス自己負担1~3割の費用で利用することが出来ます。
ただし、介護保険制度は申請する本人の要件を満たしている必要があります。
申請する要件を満たしているからと言ってすぐに介護保険サービスを利用することはできない等、色々と決まりがあるので注意してください。
今回は父のように、介護保険申請が出来る人の具体例や介護保険を申請する流れについて書いていきます。
介護保険申請ができる人
介護保険申請が出来るのは、
65歳以上の第一号被保険者にあたる方、
40歳以上65歳未満の第二号被保険者で16種類の特定疾病と診断された人に限ります。
介護保険申請が出来る人について
介護保険申請ができる本人の要件
介護保険申請が出来る本人の要件としては、
65歳以上で第一号被保険者にあたる方、40歳以上65歳未満の第二号被保険者(16種類の特定疾病と診断された方)です。
※介護保険申請ができる人でも受給できない可能性がある※
介護保険申請が出来るのは上記で解説した人になりますが、介護保険申請が出来るからと言ってすぐに介護保険を利用することが出来るわけではないことに注意が必要です。
それは、介護保険サービスを利用するには要介護認定の申請をした後のことです。
医師の診断書や役所から来られる調査員による訪問調査その後の役所での審議などを経て要支援1~2、要介護1~5の7段階のいずれかに分類されるからです。
要支援、要介護とも「非該当」という判定が出る場合もあります。
父の場合は、診察してくださった医師の方や訪問された調査員の話から、おおよそ父はどのあたりなのかを把握することができました。
そして結果も同じ結果でした。
介護制度は、介護度が重くなるほど利用できる介護サービスの量も増えていきます。
つまり、要支援などの認定を得た場合は、要介護5などと比較して利用できる介護保険サービスが限られる他、介護保険サービスごとに定められた単位に上限があるので頻度も少なくなることに注意が必要なのです。
父はデイサービスに通っていますが、父の場合は要支援2ですので、デイサービス利用は週2回となっています。
これが要介護になると、もう少し回数が増えるといった感じです。
本人と家族以外に代理で申請できる人
介護保険申請ができる場合は自治体の窓口にて要介護認定の申請をすることとなります。
本人と家族以外にも地域包括支援センターや指定居宅介護支援事業者、介護保険施設が申請を代行することも可能となっています。
私の周りには団塊の世代の高齢者が多いのですが、最近も申請をする方がいらっしゃいました。
その方たちは、申請を介護保険施設の方に代行されていました。
本人が入院していて家族が遠方に住んでいるという場合は家族が郵送で申請することもできます。
介護保険申請ができる人の例
介護保険申請ができる人の例としては、認知症などによって身の回りの事が出来なくなってしまった方や、現在病院に入院していて、食事や歩行に介助が必要となる方、自宅で骨折や転倒などによって日常生活に介助が必要になった方などです。
ケアマネジャーさんの話では、要介護者のうち介護が必要になった原因として以下の順に多いと言われていました。
「認知症」
「脳血管疾患(脳卒中)」
「高齢による衰弱」
「骨折・転倒」
実際、父は1度目の脳梗塞からくるてんかんで知人は認知症からでした。
中でも現在病院に入院している方の場合は、入院中は医療保険と介護保険を併用することはできないので申請は退院のめどがついた際にすることとなります。
要介護認定の申請から認定結果が出るのは1カ月程度期間がかかるので余裕をもって申請するようにして下さいね。
余談ですが、父が入院中にかかりつけ医に相談したことがあります。
入院中は医療保険が効かず、診察代を自費で支払った事があります
今後どうすればいいのかが分からず相談したのですが、自費だということをすっかり忘れていました。
本人が入院中は他の医療機関には行かないのが良いということですね。
介護保険申請ができない人
介護保険申請が出来ない人としては、
第一号被保険者にあたらない人。
40歳以上65歳未満で16種類の特定疾病と診断されていない方。
加えて、一度要介護認定を受けて60日以上期間が経過した人などが考えられます。
認定に関して、コンピュータによる一次判定や、介護認定審査会による二次判定審査が行われるそうなのですが、要介護認定の結果に納得できない場合は「不服申し立て」として結果を受け取った翌日から60日以内であれば、介護保険審査会に申し立てを行えます。
なので、60日間を経過すると不服申し立てとして再度申請をすることが出来ません。
原則として新規申請の場合は要介護認定結果の有効期間が6か月間となるので、残りの4か月間は不服申し立てとして再申請出来ないのです。
ただし、病気やけがによって要介護度が変わったと判断できる場合には「区分変更申請」としていつでも申請を行うことが出来ます。
不服申し立ての期間が過ぎてしまって再申請ができない人でも状況が著しく変化下という場合は再申請することが可能になっています。
介護保険申請の流れ
介護保険申請の流れとして、次の7つをクリアしないといけません。
1.申請書類の提出
2.主治医から意見書をもらう
3.訪問調査
4.一次判定(コンピュータによる判定)
5.二次判定(介護認定審査会による判定)
6.要支援・要介護認定の認定と認定結果の通知
7.ケアプランの作成
それぞれの介護認定の流れについて確認していきます。
介護保険を申請するための方法とは?
申請書類の提出
介護保険申請の最初のステップとしては申請書類の提出があります。
申請に必要な書類は次のとおり。
1.介護保険要介護認定・要支援認定等申請書
書類は自治体の窓口やホームページからダウンロードすることが出来ます。
父の場合は退院してから市役所の窓口に申請に行きました。
市役所に行く前に事前に電話をして、何が必要なのかを確認してから行くとスムーズに手続きができます。
2.介護保険被保険者証
3.医療保険被保険者証のコピー(特定疾病と認められた第二号被保険者のみ)
4.窓口に来所する方の本人確認書類 いずれか1点
写真付きの公的身分証明書
(マイナンバーカード、運転免許証、パスポート、住基カード、障碍者手帳など)
写真無の公的身分証明書 いずれか2点
(介護保険被保険者証、医療保険被保険者証、介護保険負担割合証、
個人番号確認書類(マイナンバーカード、通知カードなど)
また、本人以外が申請する場合は「委任状」「印鑑」「代理人の身元を確認することが出来るもの」が必要になります。
介護保険申請のタイミングは?
父が入院した時は、病院側から介護保険についての詳しい説明がありました。
それまで、介護保険についてあまり理解していなかったので、病院側の説明は大変ありがたかったです。
父の場合はてんかんだったので、症状次第では、先に介護サービスを受けられるかもしれないとも言われていました。
その場合は、退院する前に病院から詳しい説明があるとのことでした。
父は症状が軽かったので、その必要はありませんでした。
それでは、申請の流れを書いていきます。
主治医から意見書をもらう
介護保険申請の2つ目のステップとしては、主治医からの意見書の提出です。
介護認定の中でも認定調査の流れとしては主治医の意見書をもとに判断を下すことが一般的です。
父の場合は、入院時の主治医とかかりつけ医の両方がいましたので、そのどちらからでも大丈夫との事でした。
入院時の医師が丁寧に説明して下さり意見書も書いて下さるとのことで、入院時の医師にお願いしました。
要介護認定の調査内容と流れ
かかりつけ医がいる場合は市区町村の依頼をもとに主治医に意見書を作成してもらい、これを提示して要介護認定の判断材料としてもらいましょう。
私が「入院中の主治医に意見書を書いてもらう」と市役所の方に伝えると、窓口担当の方が病院に問い合わせして、手続きをされていました。
こちらが特に何かをするとかもありませんでした。
主治医やかかりつけ医がいないという場合は市区町村による紹介を受けて、医師の診断を受けることができます。
訪問調査
介護保険申請の3つ目のステップは訪問調査です。
訪問調査では、市区町村の担当者やケアマネージャーが自宅や入院先を訪問して申請者本人の心身の状態を確認したり、生活状況・家族構成などの聞き取り調査を実施します。
日にちの設定はこちらの希望する日を伝える事ができました。
要支援・介護認定ではその人に対してどの程度の介護が必要かについて、
「この人であればそれぞれの介護についてどのくらい時間を要するか」という「要介護認定基準時間」を算出し、要支援・介護度の認定がなされます。
直接的生活介助 : 入浴、排泄、食事等の介護等
間接的介助 : 洗濯、掃除等の家事援助等
問題行動関連 : 徘徊に対する探索、不潔な行為に対する後始末等
機能訓練関連 :歩行訓練、日常生活訓練等の機能訓練等
医療関連 : 輸液の管理、上則の処置等の診療の補助等
認定調査員による訪問調査では上の5つの情報を総合して要介護認定の審査は行われるため、必要な情報は漏れなく伝えておくようにしましょう。
特に認知症の場合はどの程度進行が進んでいるのか?
実際の生活においてどんな支障をきたしているのか?なども細かく伝えておかなければなりません。
父の場合は、父・母・私の3人で調査員の方とお話しました。
幸い自身の身の回りの事や受け答え等が出来ましたが、「また同じ様な事が起きたらどうしよう」と思う不安の方が精神的に辛かったです。
父も母も、お互いを想いやり、時に涙を流す場面もあり、調査員の方は話を汲んでくださりありがたかったです。
介護保険の認定調査
一次判定
介護認定の4つ目のステップは、医師による意見書や訪問調査によって得た情報を調査する一次判定です。
申請者や代理申請者は特にすることはありません。
認定調査員による訪問調査と主治医意見書などのデータをもとに、要介護度を推計します。
二次判定
介護認定の5つ目のステップは介護認定審査会による二次判定です。
一次判定の結果や主治医の意見書などを参考にして、介護認定審査会(保健医療福祉の学識経験者5名程度で構成)で2次判定が行われます。
介護認定審査会、介護はもちろん、保健や医療、福祉などの各分野の専門家が集まっている会になります。
二次判定の結果で支援や介護が必要と判断されると、要支援または要介護の認定が決まります。
その間私達は待つしかありません。
要介護認定の通知
介護認定の6つ目のステップは、要支援、あるいは要介護認定の認定を行い、その結果の通知です。
認定結果は「申請日から30日以内に利用者に通知する」という決まりがあるので、1カ月以内には認定結果が届きます。
結果は比較的早かったです。
認定結果は「非該当(自立)」「要支援1・2」「要介護1~5」のいずれかとなっており、要介護度が明記された結果通知書と、被保険者証が届きます。
介護度の段階 状態
要支援とは
身体または認知症などの精神の障害があり、状態の軽減や悪化防止のために介護予防サービスなどを利用した方がいいと見込まれる状態のことです。
要支援には1と2があります。要支援1は、最も自立できる状態に近いことです。
要支援1
介護予防サービスを利用することで、状態の改善が見込まれる状態のこと。
基本的に自分で日常生活を送れますが、「○○が重たくて使えなくなってきた」などの理由で、生活の一部に見守りや手助けなどの社会的な支援が必要の人。
要支援2
立ち上がりや歩行に不安定さがみられたり、排泄や入浴などに部分的な介助が必要になったりなど、要支援1と比べると、見守りや手助けなどの社会的支援がより必要になった人のことです。
適切に介護サービスを利用することで、状態の維持や改善が見込まれます。また家族の負担が軽減されます。
要介護1
立ち上がりや歩行が不安定日常生活において部分的に介護が必要
要介護2
立ち上がりや歩行が自分でできないことが多い日常生活全般に部分的な介助が必要
要介護3
立ち上がりや歩行が自分では困難日常生活全般に全介助が必要認知症の症状により日常生活に影響がある状態
要介護4
立ち上がりや歩行が自力ではほとんどできない食事などの日常生活が介護がないと行えない理解力の低下により意思疎通がやや難しい状態
要介護5
寝たきりの状態日常生活全般ですべて介助が必要理解力の低下が進み意思疎通が困難な状態
認定の結果に納得できない場合は、市区町村役場の介護保険課の、認定審査係の担当者に結果についての相談をして下さい。
どういった理由で認定結果になったのか、理由を確認し、要支援度や要介護度を上げられないかなどの相談をしたりすることがおすすめですよ。
ケアプランの作成
介護認定の最後のステップはケアマネージャーによってケアプランを作成してもらうステップです。
介護保険サービスは要介護認定を受けただけでは利用することが出来ません。
受けた方がどのサービスをどの程度利用するのかの計画書である「ケアプラン」を自治体に提出する必要があります。
父は、要支援にてお世話になっているのですが、ケアマネジャーさんが月に1回自宅に来てくれます。
とても親切で話しやすく、不安な事や心配事を聞いてくださると母が話していました。
申請の流れとしては以上です。
認知症について
ここで少し、認知症について少しだけ書いておきます。
認知症になった人の介護に携わる中で、
記憶や判断力の障がいといった中核症状に加えて、
妄想などの周知症状(BPSD)に悩まれている家族もいます。
BPSDとは
認知機能の低下を背景に起きる症状で「行動・心理症状」とも呼ばれる。
行動症状には暴言・暴力・徘徊・入浴や介護の拒否など心理症状には抑うつ・自発性の低下・焦燥・幻覚・妄想などがあり、精神医学の対象となる。どちらも当事者の心身状態や環境によって症状が異なる。毎日新聞より
認知症の人が同じことを何度も聞くのは?
認知機能の低下による中核症状の1つ、記憶障害が主な原因です。
認知症で最も多いアルツハイマー型は脳の中の海馬(大脳側頭葉内側部)の委縮から始まり、最近の出来事を記憶する事が難しくなります。
認知症は覚えられない
私もよくあるのですが、老化による物忘れと認知症の違いは、これが一番分かりやすいです。
家族から「さっき、聞いたばかりでしょ」などと言われると、認知症の人は拒否されたかのように感じるのだそうです。
家族の返事をメモとして残しておくと本人が確認できるので話す際には、メモがあると便利です。
「私の持ち物を盗んだ」等疑われると家族は辛い
身近な人を疑う事は、自分が覚えていない事を認めたくないので無意識に想像して自分を納得させるのです。
「○○は大事だよね」と認め、本人に「一緒に探しましょう」と促してみる。
もし興奮している様なら少しの間時間を置く。
「物を盗られた」という妄想は中核症状に伴うBPSDの1つで、家族が困るのはBPSDの方です。
理性がなくなる
認知症になると、他人との関係性が分からなくなってしまいます。
ここは「嫌なものは嫌」と介護する側もキチンと伝える事が大切です。
介護側が追い詰められない様に
認知症を疑いがある時は「生活への支障」が基準になります。
介護する側も含めてケアをしないと介護する側が追い詰められる事になります。
進行を遅らせる薬もあるみたいなので、主治医との連携も大切になってきます。
「認知症になった人を理解しようとする」事。
「認知症の人の気持ち」に寄り添って理解し納得するとケアする側の不安も落ち着くようです。
決して1人で悩まずに、困ったら周囲に助けを求める事。
これが大切なんだそうです。
団塊の世代はこれからが、介護が必要となってきます。
健康がとても大切だということなので、私もいまさらながら、健康、特に食生活には気をつけようと思っています。