ガネしゃんです。
ご覧頂きありがとうございます。
父が脳梗塞になってから、毎日少しでいいので脳に刺激を与える事、新しい事や運動をする様に言われています。
要支援2なので、週に2回近くのデイサービスに通っています。
いそいそと出かける姿はまるで子どもたちが幼稚園に行ってた当時と同じ様です。
私は本が好きなので、図書館へ行く事が多いです。
そして図書館は自宅から少し離れた所にあります。
とても綺麗な図書館で広くて歩く場所もあるので散歩にはぴったり。
なので父を連れて図書館へ行く事もあります。
そこで父がみつけたのが「男はつらいよ」のビデオ!
義理人情の物語が好きな父は昔から寅さんが大好き。
実家にはビデオデッキがまだあります。
そうして「男はつらいよ」のビデオを借りる事になりました。
せっかくなので、一緒に見ようとみたのが、10作目となる【寅次郎夢枕】というお話でした。マドンナ役は八千草薫(やちぐさかおる)さんです。
昭和47年12月公開の映画です。
私はまだ生まれていない時代の映画ですね。
男はつらいよとは
物語は、渥美清が演じる主人公「フーテンの寅さん」こと車寅次郎が毎回「どうしてるんだろうな~寅のやつ」と妹やおいちゃん達が居間で懐かしんでいると、どこからともなく「ふら~」っと故郷の葛飾柴又に戻ってくる所から始まります。
それ以降映画は、同じパターンで寅次郎の腹違いの妹さくら、おいちゃん、おばちゃんらが営むお団子屋を中心とした柴又と寅次郎が訪れる日本各地を舞台としています。
そこで出会う「マドンナ」と恋愛模様を繰り広げながら、ドタバタを引き起こす笑いあり、涙ありの人情物語です。
車寅次郎 寅さん(渥美清)
わたくし、生まれも育ちも東京葛飾柴又です。
姓は車、名は寅次郎。
人呼んでフーテンの寅と発します。
東京葛飾柴又の門前にある老舗の草団子屋五代目主人
車平造と柴又芸者・菊(ミヤコ蝶々)の間に生まれる。
16歳の時葛飾商業を中退して放浪の旅暮らしの中テキヤとなる。
マドンナ 志村千代(八千草薫)
寅さんとさくらの幼なじみ。
子供の頃寅さんに「デカらっきょに、チビらっきょ」とからかわれていた。
結婚に失敗し、柴又で美容院を開いている。子供と離ればなれで、何かにつけて気にかけてくれる寅さんに家庭的な幸せを夢みている。
旧家の奥様(田中絹代)
甲州路にある大きな旧家の奥様。
旅先の寅さんとの会話で、テキや仲間の伊賀の為三郎の末路を寅さんに話す。
岡倉金之助(米倉斉加年)
御前様の甥。東大理学部助教授のインテリ。とらやの二階に下宿中。食事中もずっと本を読んでいて、話もしない。アメリカに転職の話もあるが、千代さんに一目ぼれして頭の中は千代さんでいっぱい。
寅次郎夢枕のあらすじ
旅先で弁当を使わせてもらった旧家の奥様(田中絹代)から、テキや仲間の哀れな末路を聞かされた寅さんは、柴又へ帰ってくる。ところが寅さんの部屋は、御前様の親戚の大学助教授、岡倉金之助が下宿中。面白くない寅さんはまた旅に出ようとしたた、門前で美容院を始めた幼馴染の志村千代(八千草薫)と再会し、思いとどまる事に。
寅さんの幼馴染に宝塚出身のベテラン女優、八千草薫。寅さんがマドンナに愛の告白をされてしまうという、意外や意外の物語。
離婚して、子どもと離れ離れとなって千代の寂しさを、紛らわそうとする寅さんが描かれています。
寅さんの名セリフ
いいかい恋なんてそんな生易しいもんじゃないんだぞ。
飯食う時だってウンコする時だって、
いつもその人のことで頭がいっぱいよ。
何かこう胸の中が柔らかーくなるような気持ちでさ、
ちょっとした音でも、
例えば千里先で針がポトンと落ちても、
アーッとなるような、そんな優しい気持ちになって、
その人のためなら何でもしてやろう。
命だって惜しくない。
寅ちゃん、私のために死んでくれる?って言われたら、
ありがとうと言ってすぐにでも死ねる。
それが恋というものじゃないだろうか?
寅さんの生き方
ふら~と家を出て旅に出る。気が向いたらまたふら~っと家に立ち寄る。
家には優しいおいちゃんやおばちゃん。
しっかり者の妹さくらに、妹の夫ひろし。
帰れる家がある。
寝たい時に寝て、起きたい時に起きる。
近所では子どもを叱るとき、「そんなことしてたら、寅さんみたいになるよ」って叱ってる。
そんな寅さんだけど、「人」としてどこか放っておけない性格で、いつも誰かを幸せにしてくれる。
誰もがあったかい気持ちになります。
そして、「あ~やっぱ人っていいなぁ」って思うんです。
寅さんは人に明日も生きようと思わせてくれる人で、誰もがあんな暮らしがしてみたいと思う理想の生き方なのかもしれません。
当時の食べ物
芋の煮っころがし
寅さんの好物。けど、おばちゃんが寅さんが好物の芋の煮っころがしを作ったら、寅さんは「貧しいなぁ、うちのメニューは。もうちょっと、何かこう、心の豊になるおかずはないかい、たとえばさぁ。厚揚げだとか、筍の煮たんだとか頼むよ」とリクエストする。寅さんの好みは難しく、栗ご飯は「腹が張って屁が出るから嫌」だという。
とらやの人達は優しくてあったかい。
つい立ち寄りたくなる、そんなあたたかさと人の良さがにじみ出ているから、見ている人も(あ~あんな家に帰りたいなぁ)って思うんじゃないかなと思いました。
自転車
千代の別れた息子、さとしが江戸川提を自転車で遠乗りして、母に会いにきます。1970年代の小学生の憧れの自転車といえば、ウィンカー付き、変速ギアのついた最新型のスポーツサイクル。そういや私の弟もクラスメイトも乗っていたっけ?
感想
父に何かをすると、その度に「すまんのぅ」とか「ありがとう」といつも誰かに気を遣っています。
当たり前のことをしているだけなのに。と思いながらでも「ありがとう」と心から言っている父の言葉から人に優しくできるって良いなと思っています。
「男はつらいよ」を見て笑う父は昔の様に元気はないけれど、それでも楽しそうに笑っている。その姿を見ると微笑ましい気持ちになります。
寅さんは手が早くてすぐにケンカになって決まり文句の「それをいっちゃぁおしまいよ」ってなるんです。
子どもの頃に見た遠い記憶の寅さんを、今この歳で何十年ぶりかに見た時、おいちゃん、おばちゃんの寅さんを想う気持ちや、さくらの気持ち、そして寅さんの気持ちまでもが、分かる気がしました。
千代さんに一目惚れをした真面目過ぎる東大の助教授、頭の中がその人の事ばっかりで恋の病に苦しむ助教授を何とかしてあげたいと思う寅さん。
千代さんの寅さんとなら。って思える千代さんが想う寅さんといる時の何とも言えない心の安心感。
妹さくらの兄を想う気持ち、当時の暮らしや人々が決して贅沢ではないけれど毎日を懸命に生きてる、そう思える映画でした。
第10作 男はつらいよ 寅次郎夢枕|松竹映画『男はつらいよ』公式サイト