ガネしゃんです。いつもご覧いただきありがとうございます。
「70歳まで働く社会」がやってきます。私達は「何歳まで働く」のでしょうか。
今日も新聞記事のご紹介です。
再雇用でコスト減
高年齢者雇用安定法は、高齢者が働き続けることが出来る環境整備を目的とした法律です。
公的年金の受給開始年齢の引き上げに伴い、定年から年金受給までの「無収入期間」を生まないことを狙いに改正されてきました。
現状を確認してみましょう。
同法律は13年改正で、希望者全員に65歳までの雇用確保措置を企業に義務付けました。その方法には①定年制の廃止②65歳以上への定年の引き上げ③継続雇用制度の導入の3つです。
厚生労働省「高年齢者の雇用状況」によると19年時点では、継続雇用制度を採用している企業が全体の78%と圧倒的です。
実際、60歳定年制の企業では定年になった人の85%が継続雇用を選んでいます。
これに次ぐのが、定年の引き上げの19%。定年制の廃止は3%で、人出不足だったり技術の継承が必要だったりする企業で導入が増えていますが、かなり少数派です。
継続雇用を好む企業が多いのは、人件費をあまり増やさず、現実的な運用がしやすいため。継続雇用の手法は、定年でいったん退職したうえで、雇用契約を結び直す再雇用がほとんど。
その際「フルタイムかパートか」という労働時間、賃金、待遇などの労働条件を柔軟に決めることができます。企業と本人の間で労働条件の折り合いがつかず、結果的に継続雇用しなくても違法ではありません。一定条件を満たす関係子会社での受け入れも認めています。
一般に、契約社員など非正規雇用となり、給与は定年前より下がります。労働政策研究・研修機構が19年、従業員50人以上の2万社に行った調査によると、フルタイムの継続雇用となった60~64歳の平均年収(年金収入含む)は375万円。
厚労省「国民生活基礎調査」の20代世帯の平均年収とほぼ同水準です。年収分布でも「300万から400万円未満」が32%を占め最も多いです。
雇わない選択肢も
義務化の影響から、日本の60~64歳の就業率は国際的にも高いです。総務省「労働力調査」によると19年は70%(男82%女59%)で、02年から20ポイント前後押しあがりました。しかし65歳~69歳になると48%(男59%女39%)とガクンと落ちます。
人口減少で働き手が減り、高齢化で年金制度の持続性が課題になります。政府は、労働力確保や社会保障制度の維持のために、シニアの就業を増やしたい考えです。
このため21年施行の改正高年齢者雇用安定法で、70歳までの雇用確保措置を企業の努力義務としました。
- 定年制の廃止
- 70歳以上への定年の引き上げ
- 継続雇用制度の導入
という従来の延長上の3つの方法に加え
- 企業を希望する人と業務委託契約を結ぶ
- 企業が行う社会貢献事業への参加を支援する
の2つを設けました。新たに「雇わない」という選択肢も加えた事になります。
努力義務で強制力はありませんが、将来、義務化する可能性は高いです。65際までの雇用確保措置の経緯をみても00年に努力義務化、06年に段階的義務化、13年に完全義務化という流れをたどっています。
企業の対応が注目されますが、継続協が主流になるとみられます。人材開発支援企業ライフワークスが19年大企業人事担当者55人(有効回答数)に行った調査は、78%が70歳までの就労受け入れは「現実的」だとしています。雇用形態については、58%が「短時間少ない日数の勤務促進が現実的」と考えています。
中小企業は検討はこれからだというところが多いです。日本商工会議所と東京商工会議所が7月、中小企業2939社(有効回答数)に行った調査は、55%が法改正の内容を
知りませんでした。どんな対応を取るかは、継続雇用が56%で最多ですが、業務委託契約制度の導入17%ありました。
毎日新聞より
経済的理由トップ
働くシニアの意識はどうでしょうか?
ダイヤ高齢社会研究財団が18年2月、50~60代の男女6520人(有効回答数)に行った調査によると、定年前に正社員「定年後も働きたい」理由(複数回答可)は「日々の生計維持のため」が68%でトップ。
同種調査でも「経済的理由」が第一に挙がります。
ただし、年齢が上がると「生活維持」を揚げる割合は次第に減り「社会とのつながり」や「生きがい」を挙げる割合高まる傾向があります。
人材支援企業「アデコ」が19年11月、就業中の60~69歳の男女400人(有効回答数)に行った調査では「何歳まで働きたいか」という問いに対し、「働き続けられればいつもでも」とするのは60~64歳では15%ですが、65歳~69歳では28%と増えます。
現状では年金受給開始の65歳前後を境に働くことに対する意識変化があると伺えます。
まとめ
「60歳定年・70歳雇用延長」のパターンが定着すれば、定年後の働く期間は10年とかなり長期化します。
私達は「いつまでどのように、何のために働くのか」を考える事がより重要になるでしょう。