ガネしゃん

「人生に悔いはない」生き方がしたい主婦です。

4年ぶり減「下がる年金」コロナ禍の影響は?

ガネしゃんです。いつも見て頂きありがとうございます。

 

2021年度の公的年金額は前年度より0.1%下がります。16年の年金改正を初適用したものでマイナス改定は4年ぶりでした。22年度以降も引き下げが続く公算が大きいです。なぜなら、コロナ禍で賃金が大幅に下がった影響がきいてくるからです。

 

それでは今回も新聞の記事から年金額を見ていきましょう。

 

 

額見直しのルール

公的年金は経済変化に応じて年度ごとに年金額を改定します。

老後生活に影響するため関心は高いですが、改定ルールを知らない人は多いと思います。まず、ルールの確認をしておきましょう。 

ルールは大きく2つ

1つは、賃金や物価の水準が変動しても変わらないようにする「本来ルール」

 

原則と特例からなりますが、見直しを繰り返し少し、複雑になっています。

 

原則は新たに、年金を受ける「新規裁定者」は賃金の変動、すでに年金を受け取っている「既裁定者」は物価の変動に応じて額を改定する。かつては「新規・既」ともに賃金の変動に応じて決めていました。年金は給付の財源を保険料から賄う賦課方式で、保険料収入は現役世代の賃金に連動するためです。

 

しかし少子高齢化でこの仕組みが上手く回らなくなっています。現役世代が減り、引退世代が増えるなか、賃金変動を基にすると給付過多となり、年金財政が悪化してしまいます。

 

そこで00年に既裁定者は物価変動に連動するように原則を変えました。当時は賃金の伸びより物価の伸びの方が低く、それで年金額を抑える狙いがありました。

 

しかし、その後は賃金の伸びが物価の伸びを下回るようになり、この原則も立ちいかなくなります。そこで、04年改正で特例を設けました。

 

物価と賃金の変動率の組み合わせは6パターン

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毎日新聞より

ところが、この6パターンもうまく行かなくなりました。賃金抑制が長期化し、04年改正後の15回の改正中9回は図の(4)(5)に当たります。結果的にうまく引き下げが進まずに財政が悪化しました。

 

そこで16年改正は、特例を見直します。21年度から「新規・既」ともに賃金変動に応じて改定する事にしました。賃金水準は2~4年度前の変動率平均をとることにしました。21年度改定では、17~19年度分でマイナス0・1%。また物価は前年の変動率をとる決まりで、20年平均は0%でした。

 

つまり、21年度は図の(4)か(5)に当たります。従来なら「ゼロ改定」が、特例見直しを受け、賃金変動に応じた「マイナス0・1%」になりました。

 

激変緩和の特例

もう一つのルールは「マクロ経済スライド」です。

 

少子高齢化で、年金の支え手の現役世代が減り、年金を受ける引退世代が長寿化すると、財政は悪化します。そこで、それらを加味して計算する「スライド調整率」を本来ルールの年金額から差し引き、実質的に年金額を減らす役割です。04年改正で導入し、年金財政が均衡するまで続けられます。

 

ところが、このマクロ経済スライドはあまり役に立ちませんでした。

 

なぜか?

 

マクロ経済スライドには激変緩和の特例があります。(A)調整率をさしひけばマイナス改定(B)本来ルールだけでもマイナス改定

 

この2ケースでは調整率を差し引かず発動を見送ります。物価と賃金が下がるデフレが長引き、発動できませんでした。

 

そこで、16年改正でこの特例も見直しされました。18年度からは、発動を見送った調整率はいったんプールし、その後、改定率がプラスになった年度で差し引く「繰り越し」が出来る様にしました。21年度は、スライド調整率はマイナス0.1%でしたが、本来ルールでマイナス改定となったため、発動は見送り、この調整率は22年度以降に繰り越しになりました。

 

押し下げへ圧力

21年度の年金額は、国民年金の満額で月65075円(20年度比66円減)厚生年金モデル世帯(平均的賃金で40年間働いた夫と専業主婦の妻)で月22万496円(同228円減)マイナス改定は4年ぶりですが、問題はその先にあります。

 

コロナ禍を受け、マイナス改定が当面続く公算が大きいという事。

 

コロナ禍で20年は賃金が大きく下がりました。厚生労働省「毎月勤労統計」によると20年の実質賃金は前年比1.2%減で消費増税の14年(同2.8%減)以来の大きさです。年金額改定の賃金水準は2~4年度前の平均をとるため、これは22~24年度改定の年金額に押し下げる効果をもたらす事になります。

 

マクロ経済スライドの「繰り越し」の仕組みも不安材料です。今後マイナス改定が続き、スライド調整率がプールされていくと、その後物価が上昇しても、積みあがった過去の調整率を繰り越すため、年金額は上がりにくくなります。

 

仮に将来物価が上がっても年金が減ったり抑えられたりする改定が続けば、年金受給者の生活は厳しくなります。今後されにルールを巡る議論が浮上する可能性もあります。

 

毎日新聞記事より

 

まとめ

年金の受け取りも受給額も期待は薄れるばかりですが、今後も年金のしくみが変わっていくと思われます。老齢厚生年金の繰り下げをする場合は繰り下げ期間中は「加給年金」は支給されない事や老齢基礎年金を繰り下げる場合、繰り下げ期間中は「振替加算」は支給されないと、現在のしくみでも複雑です。自ら請求しないと受給できない場合もあって非常に複雑ですが、なんとなくでいいので、自分はどんな老後を過ごしたいか?自分の働き方をイメージしておくのもいいかもしれません。