ガネしゃん

「人生に悔いはない」生き方がしたい主婦です。

厚生年金 パート加入拡大

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ガネしゃんです。いつも見て頂きありがとうございます。

 

公的年金制度は家で例えると1階部分が国民年金2階部分が厚生年金になっています。

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国民年金には自営業者やフリーランスの人達の年金、厚生年金は雇われて働く人の年金という位置づけです。

厚生年金には従業員5人未満の個人事業所などを除き、70歳未満の人が加入します。

 

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 ただし、短時間労働者は、労働時間がフルタイムの人の4分の3(週30時間)未満なら加入を除外する運用をしてきました。

 

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かつて短時間労働者は夫に扶養される専業主婦が中心だったため、問題はありませんでした。

 

けれど1990年代以降、非正規で働く人が増え、状況は変わりました。

 

国民年金加入者(第一号被保険者)は短時間労働者ら非正規の人が40%を占め、自営業者らの24%を上回りました。

 

90年代に社会に出た就職氷河期世代は望まないのに非正規で働く人も多いです。

この世代は現代40代。

老後資金を手当てするための残り時間は多くありません。

 

そこで加入要件の拡大が求められています。

 

2016年には

①労働時間週20時間以上

②月収88000円以上

③勤務期間が1年以上見込まれる

④企業規模が従業員500人超を満たす(学生は除きます)

が対象になりました。

 

今回の改正で勤務期間は

2022年10月から「2か月超」

企業規模は

2022年10月から「100人超」

2024年10月から「50人超」に広がります。

約65万人が新たに加入する見通しになります。

 

短時間労働者が厚生年金に加入出来れば、3つのメリットがあります。

 

①年金額が増える

国民年金だけでは満額でも月額65000円と心もとないですが、厚生年金は現役時代の収入に応じた報酬比例部分が上乗せされます。

 

②障がい厚生年金や遺族厚生年金など老後以外の保障も厚みを増します。

 

③医療のセーフティーネットが高まる

厚生年金は健康保険とセットになっています。

 

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 ケガや出産で仕事を休む場合、傷病手当や出産手当金を受ける事が出来ます。

国民年金とセットの国民健康保険にはない制度です。

 

月収88000円で働いている場合だと、国民年金加入者であれば、国民年金と国民健康保険の保険料を合わせて月19100円支払います。

 

それが厚生年金に加入すると厚生年金と健康保険の保険料は半分が会社負担になるため、自己負担は月約12500円減ります。

 

加入10年間で将来の年金額は月々約4500円増えます。

 

さらに重要なのは個人のメリットばかりでなく年金制度を底支えする効果もあります。

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将来の年金水準は「所得代替率」で示されます。

40年間働いた夫と専業主婦の妻がそれぞれ65歳になった時の年金の合計額が、その時点の現役世代の平均手取り収入のどれくらいを示す目安です。

 

19年の財政検証は6通りの前提で見通しを示しました。

 

経済や物価・賃金状況が好調な3ケースは19年の61.7%から約50%に低下、好調でない3ケースは50%を下回ります。

 

しかし、厚生年金の加入要件を月収58000円以上のすべての労働者に広げれば、所得代替率は4.3~4.8ポイント押しあがります。

 

短時間労働者が厚生年金に移り、財政の弱い国民年金の給付水準の低下を抑えられるためです。

 

要件拡大は年金制度を安定させて、みんなの年金制度を安定させ、年金の目減りを抑えれるのです。

 

ところがです。要件拡大はなかなか進みません。

 

理由は2つあります。

 

①保険料の半分を負担する中小企業に抵抗がある

 

②夫に扶養されながらパートで働く専業主婦に新たに保険料が発生する事

 

パート主婦は「国民年金の第3号被保険者」として国民年金に加入していますが保険料を支払ってないと前回の記事にも書きました。

 

今回の制度改革は、こうした点に配慮した結果、ごくわずかな要件拡大にとどまったという事なのです。

 

厚生年金は本来、雇われて働く人が高齢で働けなくなった時の生活を保障するものでした。小さな企業だからそこで働く人に老後は保障出来ないというのは理屈に合わない、また社会保険は本来保険料の負担と給付が対になって成り立つものです。

 

これらの原則に目をつぶり、労働者のなかで最も立場の弱いパートや非正規の人を枠外に追いやっています。

 

今後の年金改革がいかにスピードを上げれるか?気になるところです。