ガネしゃんです。いつも見て頂きありがとうございます。
あなたにとって「豊かな時間」とは何ですか?
今日ご紹介する本は ミヒャエル・エンデの「モモ」
ドイツの作家ミヒャエル・エンデが1973年に発表した作品でドイツ児童文学賞を受賞された本です。
ご存知の方も多いと思います。世界中で愛される不朽の名作【モモ】
タイトルだけ知ってる、聞いた事がある方も多いのではないでしょうか?
~あらすじ~
廃墟となった円形劇場に住み着いた粗末な身なりをした少女モモ。街の人々は相談をしモモの面倒を見ることとなります。
不思議な事にモモに話を聞いてもらうと心が温かくなり悩みが消えていくのです。
モモは街の人にとってかけがえのない存在になっていくのでした。
ところがある日、街に「灰色の男たち」が現れます。
「時間を貯蓄銀行に貯める」ことで町の人々から「時間」が奪われていき…
「モモ」は小さい頃から知っていて映画もあったのですが、実は実際に手に取って読んだのは今回が初めてなのです。
きっかけは書店での「100分de名著」
「豊かな」時間とは何か?
というタイトルに惹かれ読みました。
ふと手に取っただけなのに、みるみるハマってしまい、何十年もの時を経て
ようやく読んだ本でした。
こちらは今日から放送されるので楽しみにしています。
放送日が8月3日(月曜日)午後10:25~10:50
再放送は8月5日(水曜日)午前05:00~05:55
午後00:00~00:25
私が特に印象に残ったのは、時間を奪う「灰色の男たち」が出てくる第二部です。
彼らはこの物語の眼目ともいえる登場人物です。
彼らはいったい何者なのでしょうか?
想像してみて下さい。
あなたは、家族と平凡ではあるけれど幸せに暮らしています。
そんな時ふとこんな事を思ってしまいます。
「あ~、私の人生ってこんな感じで過ぎていくんだ」
そして「朝起きてから、職場へ行き帰って家事や食事やらおしゃべりをしての繰り返し。いったい生きていて何になった?平凡な人生を過ごし、人に忘れられてしまうのか」
あなたは別に職場での仕事も食事の支度をするのも、家族との会話もきらいなわけではなく、どちらかというと好きでした。
けれど、ふとした時に「これでいいのか?」って思ってしまうんですよね。
そこに灰色の男たちが入り込んできます。
「あなたは、仕事での会話やちょっとしたおしゃべり、家族との会話や時間のゆとりはいくらでもあるのに、浪費している」と
時間の倹約の仕方を具体的に教えます。
倹約の仕方はこんな感じです。
「例えば、仕事をさっさとやって、余計なことはすっかりやめてしまうんですよ。
お客さんとの会話は無駄。歳よりのお母さんと過ごす時間が短くすます。無駄なおしゃべりはやめる。一番いいのは安い養老院にいれてしまうことですな。ペットなんかを飼うのもおやめなさい!歌だの、本だの、友人との付き合いなんかに時間を使うのはいけませんね。使用人がいるなら、職場に大きな時計をつけて使用人の仕事ぶりを良く監督するんですな」てな具合です。
こうして人々は時間を倹約するようになってしまいます。
するとどうなったか?
人々はだんだんと怒りっぽい落ちつきのない人になっていきました。
ここで、「ん?」と疑問が残ります。
倹約した時間は沢山あるはずなのに、手元には少しも残らないのでした。
実はこれ、私にもありました。
あなたも会話を楽しむための食事時間にスマホばかり見られると、どんな気持ちがするかお分かりですよね?
仕事に追われ、時間を惜しんで子供との会話を聞いていなかったりイライラして怒りっぽくなったり、けれど残ったものは何もありませんでした。
「大切な時間」ってなんだろう?
「灰色の男たち」がいう「無駄な事」こそが、人々にとって大切な時間なのでは?と思います。
星がままたく壮大な夜空。
風をあび、波の音を聞き自分の心の中にある宇宙を感じる。
以前記事に書いたこんな経験こそが人生を豊かにするのではないでしょうか?
こういった事を「モモ」は大切に出来ているから、「モモ」が人々の心を満たす事ができるのだと思います。
相手の話をいつまでも聞き続ける事は、聞き手に心の余裕がないと難しいです。
物語は「灰色の男たち」から盗まれた「時間」を取り戻すために「モモ」は立ち上がっていくのですが、、それは本を読んでのお楽しみということで!
私達はあわただしい毎日をつい送ってしまいがちですが、そんな時「モモ」を思い出します。
子供や人との会話、私はしっかり彼らの話を聞いているのか?
「モモ」は私達を原点に戻らせてくれると思います。
今夜の放送が楽しみです。