人と違う夢を持つのは悪いこと?
僕がバレエ・ダンサーを夢見ては何がいけないの?自己主張をダンスで表現するビリーの姿が愛おしくて仕方ありませんでした。
音楽に合わせて思い切り飛び跳ねるダンスシーンは迫力ある映画館で観るのがお勧めです。
【リトル・ダンサーデジタルリマスター版】簡単なあらすじ
1984年、イングランド北東部の炭鉱町。母を亡くした11歳の少年ビリーは、炭鉱労働者の父に言われ、ボクシング教室に通わされている。ある日、偶然目にしたバレエ教室のレッスンに興味を抱いたビリーは、女の子たちに混ざってこっそりレッスンに参加するようになる。そしてビリーはバレエの先生ウィルキンソンによってバレエ・ダンサーとしての才能を見い出され、彼女の指導のもとでめきめきと上達していくが……。
映画『リトル・ダンサー デジタルリマスター版』公式サイト
【リトル・ダンサーデジタルリマスター版】の舞台ミドルスブラ運搬橋
ミドルスブラ運搬橋
ダラムにある架空の炭鉱町エヴァリントン。
様々な逆境にも負けず、一途にバレエダンサーを目指す少年ビリーが済むアンドリュース通りの建物は残念ながら2003年に取り壊されています。
現存するロケ地には、ビリーがウィルキンソン先生と「白鳥の湖」を聞きながら渡ったミドルスブラ運搬橋があります。
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ダラムは映画「ハリー・ポッター」のロケ地にもなった大聖堂でも有名です。
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【リトル・ダンサーデジタルリマスター版】あらすじとネタバレ感想
チケットを見せると「ビリー・エリオット」のポストカードが配られました。
劇場内は思っていたよりも人が入っています。
前から観たかった映画なのでドキドキします。
映画が始まりました。
1984年イングランド北部ダーラムの炭鉱町エヴァリントン。
11歳のビリー・エリオットは、炭鉱夫である父・ジャッキーと兄のトニー、少し認知が入っている祖母と一緒に暮らしています。
会話は字幕英語なのですが、訛りが入っているせいか一瞬(英語だよね?)と思いながら観ていました。
ビリーは幼いころに母親を亡くし、時々徘徊する祖母をいつも優しく連れ戻します。
祖母は母方の親だと思われますが、貧しいながらもきちんと面倒を見る優しい家族なんだと思いました。
当時のイギリスは炭鉱不況の真っ只中で、父と兄は炭鉱ストライキに参加していました。
父親は大のボクシング好きで、近所のジムにビリーを通わせています。
けれどもビリーは父が好きなボクシングには全く興味がなく、母が好きだったピアノを家で弾いたり、兄のレコードをこっそり聞いている方が好きでした。
そんなある日、ボクシング・ジムの隣でバレエ教室が始まります。
もともと音楽が好きなビリーは、ピアノの演奏に合わせて踊るバレエに興味を持ちます。
指導者の娘でクラスメイトでもある女の子に「一緒にやれば?」と言われたこともあり父親に隠れてボクシング・ジムに払うお金でバレエの練習に参加するようになります。
ビリーに声を掛けた女の子はビリ―の事が好きなんだろうなぁ。
そうでないと声なんてかけないし。
とにかくビリーの周りは優しい人が多かったです。
バレエ教室で教えるウィルキンソン先生はビリーの才能を見出し、ビリーもメキメキと上達していきます。
ところがボクシングの練習にきていないと父の友人の話から、内緒でバレエ教室に通っていた事を知る父・ジャック。
バレエ教室を辞めるようビリーを説得しますが理由を言わない父親に反発するビリー。
ビリーの自己主張がはっきりしていて、11歳にしてしっかりしているなぁと思いました。
この後ビリーはウィルキンソンの自宅へ行くのですが、地域や家庭の暮らしは格差を物語っているのでした。
ビリーを車で自宅まで送り届けるウィルキンソン。
以前からビリーの素質を見抜いていたウィルキンソン先生は、ビリーに個人レッスンを持ちかけます。
そんなウィルキンソンにビリーは「僕に気があるの?」と答えます。
かわいい、かわいすぎるビリー。
思わず笑ってしまう先生ですが、ビリーの素質とバレエを続けさせてあげたい気持ちがウィルキンソンの無償の個人レッスンとして始まるのでした。
ビリーはウィルキンソンに「18歳になったら読んで」と言われていた母親からの手紙を見せます。
何度も繰り返し読んだのであろう手紙を暗記しているビリー。
彼女を偲び、ウィルキンソンはビリーにもっとバレエの勉強が出来るようにとロイヤルバレエ団のオーディションを受けるよう提案します。
そんな中、ストのリーダーである兄トニーは警官に逮捕されてしまいます。
家族の苦境を考えビリーはオーディションを受けることができません。
ビリーの才能を必死で訴えるウィルキンソンに対し、兄トニーは「ビリーをあんたの暇つぶしのおもちゃにするな」と言いケンカになってしまいます。
言われた方も負けていません。
他人とはいえ、お互いにビリーの事を想って言いたい事をぶつけ合う姿はビリーが多くの人に愛されている証拠だなと思いました。
クリスマスになりました。
長引くストライキの影響で亡き妻の形見のピアノを壊す父・ジャック。
暖炉の燃料にするためです。
最悪なクリスマスだといいながらもビリーはボクシングジムで、親友のマイケルとバレエを踊ります。
その姿を父親・ジャックにみられますが、ビリーは父親の前でやり場のない苛立ちを踊りに込めて必死に踊るのでした。
その踊りの上手いこと。思わず見とれてしまいます。
息子ビリーの才能を確信した父・ジャック。
ビリーの夢を叶えるため、ウィルキンソンに会いスト破りの列にも加わるのでした。
スト破りに加わる父を見た兄のトニー。
そんなトニーに「まだ11歳の息子の夢を壊したくない」と泣く父・ジャック。
子どもの夢を叶えたいと思うのが親の気持ちです。
やりようのない気持ちが伝わるシーンでした。
父のスト破りは兄トニーによって止められましたが、事情をしった炭鉱仲間たちのカンパと亡き妻の形見を質屋に売る父・ジャック。
愛する妻との思い出と愛する息子を想う父親の気持ちは私も親として、一筋の光が差し込むことを祈るばかりでした。
ロンドン。
オーディションでのビリーの独創的な踊りと面接での質問に対するビリーの答えはバレエに対する純粋な気持ちで観ている私も電気が走ったような気がしました。
数日後ビリー宛に手紙が届きます。
家族が見守る中ビリーは1人別室で手紙を開けます。
なかなか出てこないビリーを励まそうと父・兄・祖母が中に入ると、泣きながら合格したと報告するビリー。
ビリーはロンドンのロイヤル・バレエ学校を見事合格したのでした。
ビリーは自己主張がはっきりできる優しい男の子です。
嫌な事を嫌と言い、ダメな事はなぜダメなのかを知りたがり、自分をしっかり持っていながらも相手に対しての思いやりがあるビリーがとても眩しく見えました。
14年後。
父・ジャックと兄・トニーが劇場へと駆け付けます。
席についた隣に座っていたのは、親友マイケル。
25歳なったビリーが立つ舞台はロンドンのヘイマーケット王立劇場。
鍛えられた肉体美の後ろ姿(世界的バレエダンサーアダム・クーパーの特別出演)は男女問わず思わず(おぉぉ~)となるくらいカッコいい。
ビリーの耳元でスタッフがささやきます。「ご家族の方が観に来られています」
頷くビリー。
ビリーがマシュー・ボーンの「白鳥の湖」を踊るところで映画の幕が下りるのでした。
あ〜良かったぁ〜。
鑑賞中鼻をすする音や鑑賞後も「良かったね」と言い合うカップルもいました。
当然私も涙がぽろぽろ出ていました。
欲を言えば最後の「白鳥の湖」を踊るシーンもっと見てたかったな…
白鳥の湖の音楽も素晴らしいです。